法務業務フローをGVA manageで統一、効率化と一元管理を実現できました
シグマクシス・グループの持株会社で、同グループ会社の事業活動支援と経営管理を担う株式会社シグマクシス・ホールディングスの上林様に、GVA manage の導入背景や目的、導入後の変化について伺いました。
事例の概要とGVA manage導入前後の変化
会社や事業の概要について教えてください
上林様:
シグマクシス・グループは、2008年にコンサルティング会社として創業しました。現在は、コンサルティングと投資の2つの事業会社を持株会社が束ねております。コンサルティング事業を担う株式会社シグマクシスは、企業のデジタル・トランスフォーメーション推進、新規事業開発、経営プラットフォームの改革のご支援をしています。投資事業を担う株式会社シグマクシス・インベストメントは、Regenerative & Wellbeingという、「地球資源を再生しつつ、人々の暮らしを豊かにする領域」に対して投資を行っています。
コンサルティング事業と投資事業の両方の力をかけ合わせて、お客様の事業価値をよりバリューアップしていくことを目指し、このような体制となっております。投資先の会社様にコンサルティングのご支援をさせていただくこともあれば、コンサルティングのお客様の新しいビジネスの立ち上げを出資でご支援させていただくなど、両事業のシナジーを生み出して、社会の課題に対してインパクトが出るような事業を推進していきたいと考えています。グループ全体で700名規模の会社で、多数のプロジェクトに取り組んでいます。
法務の体制と具体的な業務内容について教えてください
上林様:
持株会社である株式会社シグマクシス・ホールディングスのコーポレート組織に法務グループは所属しています。
法務グループは、法務業務を担うチームと契約書管理をするチームの2つに分かれています。私がグループの責任者で、法務チームが4名、契約管理チームが3名の8名で構成しています。
法務チームには2つの大きな機能があります。1つ目は「パートナー」としての機能で、シグマクシス・グループのあらゆるビジネスを法的な支援を通して依頼者と一緒に案件を進めていく役割を担っています。2つ目は「ガーディアン」としての機能で、法的な観点から会社の意思決定に積極的に関与し、知的財産や広く言えば評判などまで、シグマクシス・グループのあらゆる権利を守る役割を担っています。
具体的な業務としては、法務チームは会社法、労働法に関する法律相談、契約書の作成やレビュー、交渉の支援をしています。他にも、監査等委員会、コンプライアンス委員会、情報セキュリティ委員会の事務局業務や個人情報の取り扱いプロセスの管理も行っており、業務は多岐にわたります。
一方で、契約管理チームは、締結する契約書の製本や押印、締結後の契約書の管理が中心の業務です。
法務チームが審査する契約書は、主としてコンサルティングのお客様や外部委託先様との間で締結する業務委託契約書や弊社の購買契約書で、平均で月に100件程度あります。
GVA manage導入以前の法務依頼フローを教えてください
上林様:
導入前の依頼の受付は基本的にはメールで、法務チームメンバー全員が確認できるグループ代表アドレスで受け付けていました。
案件の割り振り担当者が依頼メールに担当者のラベルを付けることで、各担当者に案件を割り振っていました。各担当者はラベルをもとに内容を確認し、検討を進めます。このため、法務チーム全員が各担当の案件をメールボックス上で共有していました。
審査と最終承認については、全社で利用しているビジネスチャット上で行っていました。ビジネスチャットの内容は法務チームメンバー全員が確認できるため、担当者以外のメンバーも、自分の担当外案件の判断状況を確認できる状況でした。
GVA manageを導入した後の法務依頼フローを教えてください
上林様:
GVA manageの依頼受付アドレスとして既存のグループ代表アドレスが利用可能だったため、導入後も依頼受付アドレスを変更せずに依頼を受け付けています。依頼を受けた後は、GVA manage内で担当の割り振り、法務チーム内でのやりとり、依頼者とのやりとりを行っています。
GVA manageを導入して抱えていた課題は解決しましたか
上林様:
1番大きかったのは、受付はメール、法務チーム内での確認はビジネスチャットと分けた運用が1つになったことです。以前は、チーム内での議論の履歴や知見を蓄積することと、誤ってチーム内でのやり取りを依頼者に送信してしまうことを防止する目的で、あえて2つに分けて運用していました。GVA manageの導入により、それらの目的を達成しながらプラットフォームが統一できたため、業務が非常にスムーズになりました。
また、担当者ごとの案件処理数についても把握しやすくなりました。以前のメールにラベルをつける方法では、件数を1件1件数える必要がありました。これが結構大変でしたが、GVA manageを使い始めてからは分析ダッシュボードで確認できるため、その作業がなくなりました。
過去案件の判断状況を探す手間も減っています。以前使っていたビジネスチャットでは、様々な案件の判断や判断以外の会話も蓄積されていたため、該当の会話を見つけるのに苦労していました。GVA manageは各案件の画面で、法務チーム内で議論した内容と依頼者と話した内容をまとめて確認できるので、とても助かっています。契約書の電子ファイルについても、GVA manageで案件ごとに1つの画面にまとまって整理されているため、過去案件の電子ファイルの発見が早くなり、作業効率が上がったと感じています。
GVA manageを導入してメリットと感じていることを教えてください
上林様:
契約書審査業務の生産性が向上したことです。その結果、法務チームメンバーが現場の契約交渉支援をするための、ビジネスの背景や契約の原因となっている状況を理解すること、ビジネスに即した具体的な契約書案を提案すること、現場とマネジメントをつないで適切なリスクテイクができるようにマネジメントを支援するなど、付加価値の高い活動により多くの時間を使うことが出来ていると思います。
導入後の事業部側(依頼者側)の反応はどうでしたか、周知の際に工夫した点はありますか
上林様:
GVA manageを導入したことは社内のポータルサイトでお知らせしました。特に、導入後も依頼受付アドレスが変わらないことを全面的にアピールしました。
GVA manageの依頼フォームでの受付も検討しましたが、形式にとらわれず、広く自由に依頼を受け付けることを重視したため、依頼受付方法を変えずにGVA manageに移行できた点は大きなポイントでした。GVA manageの依頼アドレスは、既存のグループ代表アドレスで設定できたので、依頼者に負担が少なくて良かったと感じています。
一方で、変更点については、図表を使ったガイドを付けて周知しました。実際に利用しなくても利用イメージがわくように分かりやすい記載を心がけ、説明の順番やスクリーンショットを付けるなどの工夫をしました。
現場からネガティブな意見は出ませんでした。弊社の社風なのかもしれませんが、新しいものに興味を持って「まずやってみよう」という社員が多く、GVA manageから届く通知や依頼後のやりとりの部分でも混乱なく導入することができました。
導入時に一部の社員から、これまで電話や口頭でも受付されていた相談や依頼についても、今後はメールで依頼する必要があるかという問い合わせがありました。この点は従来通り電話や口頭でも受付し、依頼受付アドレスへの依頼を促したり、場合によっては法務チーム担当が依頼者をCCに入れてGVA manageに依頼するなど、柔軟に運用することでこれまでと変わらず対応できています。
GVA manageで気に入っている機能はありますか?
上林様:
法務チーム担当をアサインした時に、依頼者・担当者に自動で通知が届く機能が気に入っています。依頼者にとっては、自分の依頼が受付された安心感がありますし、法務チーム担当もアサインを認識できるため助かっています。
今後どのように活用を進めていこうと思っていますか
上林様:
よりGVA manage・GVA assistを効果的に活用していくために、他社様での事例などをもっと教えていただいて、それをヒントに自社の契約審査フローの改善の参考にさせて頂ければ良いと思っています。
もう少し契約審査業務にAIを活用したいので、引き続きサポートいただきながら進めていきたいと考えております。
柴沼 俊一様からのコメント
柴沼 俊一 様
株式会社シグマクシス・ホールディングス代表取締役副社長株式会社シグマクシス・インベストメント代表取締役社長
私たちシグマクシス・グループは、1ユーザー企業としてGVA manageを利用するだけでなく、同サービスを提供しているGVA TECH 社に対して出資を行っています。
日本企業において、人材や知見の不足を背景に、企業の法務業務のデジタル化のニーズがますます高まっています。これに対し、同社が開発・提供しているAI による契約業務サポートや法務業務全体の情報管理は、企業の法務部業務の効率化や品質の安定化に貢献すると確信しており、出資を決定いたしました。企業法務には、徹底的な効率化・品質向上を進めた上で、企業経営に直結する戦略法務としての価値提供を目指してほしいと考えています。
シグマクシス・グループはユーザー企業ならびに出資パートナーとして、GVA TECH 社とともに、日本企業の変革に貢献していくことを心より楽しみにしています。