月100件前後の案件で逼迫したリソースやタスク管理の課題をOLGAの法務データ基盤モジュールで解決できました
株式会社コロプラ 山崎様、中條様に、OLGAの法務データ基盤モジュール の導入背景や目的、導入後の変化について伺いました。
事例の概要とOLGAの法務データ基盤モジュール導入前後の変化
会社の概要を教えてください
山崎様:
コロプラの事業としてはスマホゲーム、メタバース、XRなどを中心としたエンターテインメント事業と投資育成事業の2つのセグメントがあります。
スマホゲームの主力タイトルとして『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』、『白猫プロジェクトNEW WORLD'S』があります。また『白猫GOLF』を約170ヶ国に配信するなど、海外展開も積極的に進めています。
投資事業は現在国内外のエンターテインメント、BtoC企業を中心に、創業初期のシードから上場間近のレイターまで、オールステージで幅広く投資を行っています。
事業の比率としてはエンターテインメント事業が9割程度で、残りが投資育成事業になります。
法務の体制を教えてください
山崎様:
私が管掌しているのが法務知財部になります。法務知財部の中に法務グループと知財グループがあります。法務グループ9名で、知財グループが6名という構成で自分を含めると合計16名の体制になります。
法務グループの業務範囲で言うと、いわゆる事業部向けの法務としては取引契約の審査や法律相談、紛争処理などの対応をしています。機関法務としては、株主総会の企画運営といったところがあります。その他は総会と関連する部分で株式事務や登記事務なども行なっています。
貴社の法務の特色はありますか
山崎様:
基本的には各メンバーの役割を固定はしていません。一部の業務を除いて、配属による仕事の固定化でメンバーのモチベーションが下がることを避けるために、好きな仕事も嫌いな仕事もみんな一通り回るようなやり方をしています。
また、仕事のスタイルとしては、日々来る依頼案件について都度2人の担当を割り振って、2人チームで対応しています。このスタイルにした理由は大きく分けて2つあり、1つはサービスレベルの平準化です。要するに法務は属人化しやすいので2人のチームで、かつ、それを固定化せず毎回いろいろな人と組み合わせることでサービスレベルの品質が平準化してくることを狙っています。2つ目は、バックアップ的なところで、例えば担当が一人の場合、その人が休むと業務がストップする可能性がありますが、2人チームなら業務が滞らず進行できるという狙いがあります。
もっとも、一定のテーマ、プロジェクト、例えば定時株主総会の企画・運営は、メンバーが毎年変わってしまうとかなり非効率なので、そういった一部の業務は固定化しているところもあります。もちろん、そのような業務でも何回か繰り返してメンバーをローテーションすることは考えています。
OLGAの法務データ基盤モジュール導入前の業務フローおよび課題を教えてください
中條様:
OLGAの法務データ基盤モジュール導入前は、契約書のレビューと契約書ドラフト作成の依頼をGmailで受け付けていました。それ以外のゲームの施策に関する相談や一般的な法務相談は、それぞれのゲームタイトルやプロジェクトに応じて、該当するSlackチャンネルで法務にメンションをつけて依頼をしてもらい、来た依頼を最初に見た法務メンバーが、KintoneにSlackのリンクや依頼の内容をすべて手作業で転記しておりました。
また、レビュー対象になる契約書ファイルや参考となる資料は、Gドライブに案件ごとのフォルダを作ってそこに登録して、法務相談であれば最終回答もGoogleドキュメントにして格納するなど、基本的に手作業で案件管理をしていました。
このような煩雑化した管理方法では、どうしても抜け漏れが発生するということと、毎月100件前後の案件がある中で手のかかる作業が多く、業務を逼迫しているという課題がありました。また、Kintoneでは、各人が担当しているタスクを確認するのが難しかったり、納期管理が一覧でできないというのも悩みでした。
OLGAの法務データ基盤モジュールはどのようにして知りましたか
山崎様:
私は、さまざまなサービスを導入し法務DXを推進しています。その中で、案件管理については、導入済みだった他社のいくつかのサービスでも「一応、案件管理をやろうと思えばできる」といったレベルで、主目的が案件の管理ではないという状況がありました。そのような中で案件をしっかりと管理でき、可視化して業務効率を上げるために何かいいものがないかと調べているうちに、GVA TECHさんのOLGAの法務データ基盤モジュールを見つけ、法務案件管理業務に特化していて、求めていた機能群や設計思想だと感じました。
OLGAの法務データ基盤モジュールのどこが一番響きましたか
山崎様:
OLGAの法務データ基盤モジュールの説明記事の中で大きく心に響いたのは、現場の業務フローを変更させることなく、案件情報の集約ができるところです。導入にあたって業務に大きな変更を伴う場合には、現場の抵抗感が強いときがあります。
その点、OLGAの法務データ基盤モジュールはもっとも法務の状況を理解されているサービスで、導入しやすいところに魅力を感じました。
導入の決め手は何でしたか
山崎様:
当時まだ実装されていなかったのですが、Slackのチャンネル対応の開発を予定されていたところです。
当社はSlackでのコミュニケーションが主で、タイトルやプロジェクトごとに多くのチャンネルが存在し、各チャンネルから法務相談が飛んできていました。そして、チャンネルでの法務とのやり取りは、チャンネル参加者にとって一種のナレッジの役割も果たしていました。そのため、社内クライアントがSlackチャンネルから依頼でき、かつ、当該チャンネルの関係者にも、法務とのやり取りの内容が閲覧、検索できることが業務フロー上必須の要件でした。
それをお伝えしたところ、きちんと開発して実装していただきました。GVA TECHさんのユーザー視点を大切にする姿勢がうかがえましたので安心しています。
また、トライアルをしてみて、本当に痒い所に手が届く印象を受けました。具体的に言えば、1つの案件の中で依頼者とのやり取りと法務部内でのやり取りをそれぞれ「依頼者チャット」と「チームチャット」に分けられるようになっている点、それらのやり取りが1つの画面に集約されている点が、法務内でのナレッジ蓄積や検索性においても非常に便利です。
また、複数人の担当者がいる場合に、担当者をファースト・セカンドそれぞれ設定できたり、セカンドも複数設定できたりして、誰が今何を対応しているかもわかりますし、そのステータスが自動で更新されていく部分など、法務業務をよく理解して作られていると感心しました。
導入当初抱えていた課題は解決されていますか
中條様:
すべての依頼をOLGAの法務データ基盤モジュールで受け付けるようになって、転記の煩雑さや抜け漏れもなくなり、案件管理もスムーズになりました。
現場の人からの声として、今までは依頼をしてもアサイン連絡などに時間かかる場合もあり、ちゃんと受け付けられているのか、案件の進捗がどうなっているのかという不安の声もありました。
しかし、OLGAの法務データ基盤モジュールになってからは自動でアサインの連絡も通知され、依頼した案件の進捗もデイリーレポートでわかるため、安心感が増したという声を多くいただいています。またSlackのスレッドで各案件の進捗のやり取りが見られるという点も大変好評です。この点からも、私たち法務の課題に対する解決策というだけではなく、依頼者の方にとってもメリットが大きかったことは、導入して良かった点だと思っています。
依頼部門への運用展開はどのようにされましたか
中條様:
まず社内用にマニュアルを作って展開しました。また、よりわかりやすく、手間なく伝えるために、通販番組に見られるような面白い要素を取り入れた説明動画を作成し、併せて全社に公開しました。弊社はエンタメを提供している会社なので、こういったものが暖かい目で見てもらえる文化があります。新しいツールを導入するにあたってキャッチーさが必要だと思い、そういった動画で興味を持ってもらおうと出演も編集も自分たちで楽しんで行いました。
その結果、現場の受け入れに抵抗感もなく、スムーズな展開ができたのではないかなと思っています。
今後のOLGAの法務データ基盤モジュールに期待していることを教えてください
中條様:
依頼数の多い依頼者の方々から、自分が依頼した案件の一覧を見たいという声をもらったことがあります。ちょうどOLGAの法務データ基盤モジュールに依頼者アカウントという新機能がリリースされたときで、非常にタイムリーで驚きました。こちらのオプションの利用もこれから検討したいと思います。
また、契約書の修正において、複数人が同時に編集したものを、コンペアして法務の修正案として一度にまとまって出力されるようになると良いと思います。
各バージョンの管理はできていますが、分岐だけではなくバージョン間の差異をうまく統合できるようになると良いとも思っています。
あとは、案件の「ステータス」の各項目に、「1st/対応中」「2nd/対応中」などがありますが、もう少し細かく設定できるようにしてほしいという法務内の声がありまして、案件管理項目で別に作って、「MTG設定中」とか「依頼者に回答済み、先方確認中」のような項目を作り、チーム内での案件の進捗を細かく共有できるようにしています。こうして、自由に項目を作成できるのも良いところだと思っています。
いずれにしてもGVA TECHさんは機能の追加や改善のスピードが速いので、これからもますますの進化を期待しています。
他の会社の法務の方へのメッセージをお願いします
中條様:
大きな会社の法務や一人法務など、いろんな法務の体制があり、それぞれの会社で課題も違うと思います。ですが窓口を一本化したり、契約書の置き場所や、やり取りの経緯なども全部一元管理したりすることで、情報の見える化や利活用ができるようになります。忙しい法務こそ、日々の業務が圧倒的に変わっていくと思います。
私たち自身、OLGAの法務データ基盤モジュールを導入することで本当にたくさんメリットがありました。このようなツールを使って日々の業務を少しでも効率化して、本当に重要なところに力を注げるようにしていくのが大事なことだと思います。