欲しい情報が手元にないまま対応せざるを得ない状況をGVA manageで解決し、法務案件管理の一元化を実現できました
ネスレ日本株式会社 法務部 部長 弁護士 美馬耕平 様、弁理士 桝本啓介 様、池田尚子 様に、GVA manage の導入背景や目的、導入後の変化について伺いました。
事例の概要とGVA manage導入前後の変化
会社や事業の概要
美馬様:
当社はスイスの食品メーカー、ネスレの日本法人です。
「Good food, Good lifeカンパニー」を掲げ、食品、飲料、栄養健康製品、ペットケア製品等を製造・販売しています。
法務の体制と具体的な業務内容を教えてください
美馬様:
当社の法務人員は私含め8名が在籍しています。
1名はEコマース専任の担当となっており、残りの7名で自身の担当領域に応じて幅広く業務にあたっています。
業務の内訳としては4〜5割がコミュニケーションチェックと呼んでいるもので、宣伝広告やHPへの記載内容、メルマガやSNSなどの消費者向けの発信内容のチェックや相談を受けています。
次いで契約書業務が3割前後、残りの2割が法律相談やコンプライアンス関連、個人情報保護関連、また担当者によっては業務改善のための調査や施策の実施も行なっています。
当社の法務部員はバックグラウンドが様々で法律のバックグラウンドがない人間も多く在籍していますが、その代わりにそれぞれ現場経験が豊富にありますので、そういった点も考慮しながら担当領域を割り振っています。
現場の人間にとっての”効率”とはどのようなものか、それぞれの現場にとってどのように伝えれば伝わりやすいか、といった現場感を大事にしたコミュニケーションを心がけています。
また法務部内ではそれぞれが持ち寄った知識や情報を共有し、法務部のナレッジを学び合えるような環境を目指して活動しています。
GVA manage導入前の法務案件管理の状況と課題
池田様:
法務部への相談方法が定まっていない点が一番大きかったです。
メールを軸にチャットや口頭など様々な手段で相談が来ており、相談用のメールフォーマットも用意していたのですがなかなか運用に至っていない状況でした。
そのような状況でしたので、依頼者によって相談の際の事前情報の量や質に差があり、法務部として欲しい情報が手元にないまま対応を始めざるを得ない形になっていました。
また、いざ対応にあたる際も部内で共有するために改めて案件の内容をまとめる必要があり、効率化という点でも苦労していました。
GVA manageを知ったきっかけや導入した経緯
池田様:
課題がはっきりしていたので以前から何か解決する手段はないか常に情報収集をしていました。
いくつか検討したツールなどもあり、数年前には内製のアプリの検討もしたのですが、やりたいことは明らかになっているものの、これだ、というものがありませんでした。
そんな中でSNS上でGVA manageの存在を知り、トライアルに進んだのですが、使用してみるとまさに求めていたようなサービスだったので検討もスムーズに進めることができました。
桝本様:
事業部に対して大きな変化を求める必要がない点も大きかったと思います。
当社はメールが主要なコミュニケーションツールなのですが、その点は変更することなく法務部の業務の改善が図れるのは非常に理想的でした。
事業部がアカウント不要な点も管理コストなどがかからずスムーズに溶け込んでくれるのではという期待もありました。
美馬様:
色々と検討している中で、カスタマイズ性が高く設定さえできればある程度やりたいことを実現できそうな方法はあったのですが、GVA manageは法務に特化していることもあり、はじめから法務の現場が求めているものが用意されているという印象を受けました。
GVA manageの事業部への導入方法や流れ
桝本様:
導入にあたって一番重要視したのは事業部にどう見えるか、という点です。
メールはそのまま使えるにせよ、依頼時には新たに依頼フォームを使ってもらうことになるので事業部が負担に感じない範囲で法務部として必要な情報を収集できるようなバランスを考えて依頼フォームを作成しました。
事業部に展開する際は事業部向けにマニュアルを作成することも考えたのですが、説明書きなどもオリジナルで作成できることもあり、結果的にはマニュアルを作ることなく事業部に展開できました。
展開当初は従来通りメールで依頼が来てしまうこともありましたが、個別で依頼フォームの使用を促すことで現在はすべての依頼を依頼フォームで受け付けることができるようになっています。
GVA manage導入後の効果
池田様:
案件のステータスがひと目でわかるようになったことが一番大きいです。
締結まで終わっているのかどうかを管理する項目も追加したので、従来管理が大変だった部分が改善されました。
またチーム内のコミュニケーションと事業部とのコミュニケーションがGVA manage上で完結することで情報の共有が楽になり、チーム内での相談もしやすくなりました。
他には、コミュニケーションチェックについては現在もメールで受け付けているのですが、従来はコミュニケーションチェックと契約書の相談などが全てメールボックスに入っていたのに対し、今はGVA manageとメールとで切り分けができているので結果的にコミュニケーションチェックの管理もしやすくなったように思います。
桝本様:
事業部からは特にネガティブな意見は来ていないです。むしろ依頼がしやすくなったという声ももらっています。
美馬様:
なかには依頼方法がフォームになったことで煩わしく感じている人もいるかもしれないのですが、依頼内容に不足があり法務から質問が来て、それに返信して、という経験をしている人も多いと思うので、結果的に全体として良くなっているという反応をもらっています。
GVA manageで特に気に入っている機能を教えてください
池田様:
あえて挙げるとすれば案件ボードややりとりの部分だと思うのですが、一つ一つの機能というよりもGVA manageの仕組みそのものが導入の効果を感じているところです。色々な機能が複合的に効果を発揮しているイメージです。その結果、コミュニケーションが以前よりもスムーズになったと感じています。
美馬様:
私もその点は同意見です。使っていると法務の業務に特化して作られているということを色々な場面で感じます。当初は利用イメージが湧いていなかった機能も、いざ利用シーンが来ると助かるものが多いです。
GVA manage自体の全体の世界観とユーザー目線に立った細かい機能と使い勝手が気に入ってます。
GVA manageに対する今後の期待
池田様:
GVA manageの導入により、案件のステータス管理がし易くなったので、さらに踏み込んで、案件をより迅速に進めるための仕組みを導入していただきたいです。
例えば、一定期間、事業部から返答のない案件について、事業部の担当者に、状況確認のための自動メールが届くといった機能を設けていただけると嬉しいです。
桝本様:
弊社で導入している他のリーガルテックサービスと連携してもらえるとありがたいです。
案件管理の核となるGVA manageから他のリーガルテックサービスに容易にアクセスできるようになると、単純に作業が減りますし、流れがよりわかりやすくなり、管理がよりし易くなります。
美馬様:
法務部だけでなく、会社全体がさらに効率的になるアップデートを期待します。
GVA manage上で社外の人ともコミュニケーションが取れるようになったら、法務部は、事業部に対して、より有意義なサービスを提供できるようになると思っています。
また、AIの活用にも期待していますし、GVA manageがより広い範囲の業務をカバーするようになったり、他のツールなどとの連携がより強化されるようになると、さらに効率化を進められるのではないかと思っています。