変化の激しい現代社会において、それぞれの職種が求められる役割も大きく変化してきています。その中でも特に、法務に求められる役割の変化は顕著です。ではいったい、法務の役割はどのように変化をしているのでしょうか。そして、そうした環境の中で求められている法務のリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。

今回は、法務の役割の変化と求められるリーダーシップについて解説していきます。

法務の役割の変化について

まずは法務部門を取り巻く環境の変化や求められる役割について、以下に解説していきます。

攻めの法務が必要になっている

近年、IT化や国際化といった社会の変化に合わせて、ビジネスの現場でも大きな変化が求められるようになっています。そしてその変化の波は、法務にとっても例外ではありません。IT化が進めば、そこに紐づく法律やルールを新たに把握しなければなりませんし、国際化が進めば、国内だけでなく海外の法律についても造詣を深くしておく必要が出てきます。逆に言えば、法務が先陣を切って進んでいかなければ、企業全体が新しい挑戦にこぎ出せなくなっていると言っても過言ではないでしょう。

こうした背景の中で、法務はこれまでのイメージのような、法律に関わるトラブルから企業を救う守りの姿勢ではなく、事業そのものを推進していく攻めの姿勢が求められるようになってきているのです。

事業部との関係性をより強固に

法務がビジネスそのものを加速させていくためには、事業部との関係性をより密にしていかなければなりません。言い換えれば「法務がバックについてくれているから、安心して新事業を進めていける」と、事業部に思わせなければならないということです。

そのためには、法務としてできることは何なのか、どういったときに法務の力を有効活用できるのかといったことを、社内にしっかりと周知し、事業部側が法務を積極的に活用したいと思わせられる環境を整える必要があります。

ビジョンやミッションを周知し、社内での存在感を高めていくことも、今後の法務に求められる大きな課題と言えるでしょう。

新しい時代の法務のリーダー像とは?

ここからは、変化が求められる法務に必要なリーダー像について、詳しく見ていきましょう。

開かれた存在感と深い懐を持つ

変化の激しい時代において、問題や課題、リスクを最初に発見するのは、最前線に立つ事業部メンバーになるでしょう。発見した問題についてすぐに意見を発信できない環境であると、問題が隠されたままになり、後に大きなリスクやトラブルとなってしまう可能性があります。些細な問題でもすぐに法務部にも相談ができるように、自由に意見が言える状態を目指さなければなりません。

また、どれだけ悪いニュースであってもそれを真摯に受け止め、しっかりと対処していける懐の深さを、法務のリーダーが持つことも重要です。心理的安全性のある環境であれば、チームメンバーは積極的に情報や意見を発信できるようになるでしょう。

自身の考えや情報をオープンに

法務のメンバーや事業部からの信頼を獲得し、さまざまな意見を吸い上げることは、法務組織や会社の成長にとって必要不可欠です。そのためにも、自身の考えや情報をオープンにする姿勢が求められます。情報や考えを隠しておくのではなく、オープンにすることで存在感が発揮され、より多くの情報が集まるようになり、問題解決につながるだけでなく活躍の幅も広がっていくことでしょう。

法務のリーダーに必要なマインドセット

新しい時代における法務で理想のリーダーになるためには、以下のようなマインドを持つことが求められます。それぞれの内容を具体的に見ていきましょう。

1. 事業の最適化を目指す

政治情勢や経済情勢など、会社運営に関するリスクや課題は世界規模で増加しています。そのような課題に対して、法的な観点から解決策を提示できる法務リーダーが求められます。法務観点から会社の事業の最適化を目指すことで、法務の重要度が増し、法務組織にとって理想的な環境を作ることができるでしょう。

2. 経営に貢献できる組織を目指す

リーガルチェックや発生したトラブルへの対処は法務にとって重要な仕事ですが、それだけでなく経営に貢献するという意識も必要です。さまざまなリスクを事前に察知して、それらをいち早くマネジメントすることで、会社を成長へと導く法務組織になれるでしょう。リーガルリスクが複雑化し、多様化する時代において、法務の観点から経営に貢献することの重要性は増しています。

3. 経営と事業部をつなぐ架け橋となる

法務は法的知識によって事業をサポートし、ガバナンス業務などを通じて経営とも接する部門です。事業部とも経営部とも深く関わるユニークなポジションとして、現場の意見を経営へ橋渡ししたり、逆に経営の考えを現場に伝えたりすることで、会社全体のつながりをより強化する存在になり得ます。現場と経営の懸け橋となる法務は、変革のリーダーシップを取れる唯一無二のポジションといえるのです。

事業部と経営のつながりを強化するためには、あらゆる情報を吸い上げる姿勢が必要です。問題や課題に関する情報発信は、法務メンバーにとって勇気のいることなので、組織としての心理的安全性を確保することを目指しましょう。

ある事例を紹介します。「事故が発生したかもしれない」とメンバーから伝えられて調査したところ、事故は起きていないことが判明しました。リーダーに相談したメンバーは勘違いについて何度も謝罪しましたが、リーダーは「こういうことは何度繰り返しても大丈夫。情報をくれてありがとう」と、多くの人や他部門の人が聞いている場で伝えました。そうすることで今後の心理的安全性が確保され、安心して情報共有できる環境となるのです。

信頼されるビジネスパートナーを目指そう

法務は開かれた存在として、経営も含めた各事業部のビジネスパートナーを目指していかなければなりません。そのためには、各部門との連携力強化は最重要課題と言えるでしょう。

連携力強化のためには、従来のやり方を継続するだけではなく、AIや機械学習を活用した契約管理システムなど、新しいツールを採用することでよりフレキシブルかつスピーディに、事業部との連携を行えるような環境を整えることも必要です。

GVAmanegeであれば、法務の業務効率化はもちろん、事業部との連携もよりスムーズに行うことができるようになるのでおすすめです。ぜひGVAmanageの導入をご検討ください。

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