リーガルチェックの依頼について

リーガルチェックとは、契約書の内容に関して、法務担当や弁護士などに確認してもらう作業のことです。

ビジネスでは、さまざまな取引先と契約書を交わすことになりますが、その内容は多種多様で、理解には専門的な知識が必要とされるケースも少なくありません。そのため、リーガルチェックを行わずに契約を進めた場合、契約書が違法な内容になってしまったり、自社に不利な条件になってしまっていたり、思いがけないトラブルに発展してしまう可能性もあります。

こうした事態を防ぎ、専門的な知識による正しいチェックを受けるために、法務担当や弁護士にリーガルチェックを依頼しなければなりません。

リーガルチェックの依頼をテキストで行うべき理由

リーガルチェックの依頼に決まったフォーマットはありませんが、基本的にはメールやチャットなどのテキストベースで行うようにしましょう。その理由は以下の通りです。

口頭では全容をつかめない

たとえ規模の小さい取引であったとしても、契約書の内容というのは非常に複雑なものです。そのため、単に契約書のチェックをしてほしいと現物を渡しただけでは、担当者や弁護士は契約の全容や懸念されるポイントを正確に把握することができません。

リーガルチェックをミスなくスムーズに行ってもらうためにも、必要な情報を過不足なく伝えることが大切であり、その方法は口頭よりもテキストベースの方が圧倒的に効果的です。

取引内容によって言葉の意味が変わる

契約書内に記載される内容や言葉は、取引の内容によって微妙にニュアンスが異なったり、違う意味に捉えられたりするケースが少なくありません。そのため、契約書単体の内容だけを見れば問題がなかったとしても、取引の内容から精査すると問題がある、といった事態になることもあるでしょう。

こうした勘違いを防ぐためには、契約書周辺の情報が必要不可欠であり、それらをしっかりと整理して伝えることが大切です。

コミュニケーションコストがかかる

法務担当や弁護士が契約書の内容に違和感を覚えた場合、その旨を担当部署へと伝え、契約書を修正するのが一般的です。しかし依頼の際の情報が不足していると、本来であればチェックバックをしなくてもよかった箇所まで指摘することになり、コミュニケーションコストが増えてしまう可能性があります。

リーガルチェックは非常に重要な作業であるからこそ、非常に細かいところまでチェックは行われ、スムーズに進んだとしても相応の時間を必要とするものです。余計な部分で手間や時間を掛けないためにも、正確な情報伝達をしていきましょう。

リーガルチェックでの依頼メールのポイント

リーガルチェックの依頼をテキストベースで行う場合、メールやチャットを使って行うケースが多くなるはずです。ここでは、依頼メールを作成する際のポイントについて紹介します。

件名は用件が分かりやすいように

リーガルチェックだけにとどまらず、すべてのメールで言えることですが、件名にはメールの用件をしっかりと記載するようにしましょう。そうしなければ、メールを見落とされてしまったり、対応を後回しにされてしまったり、期待する反応を得られなくなってしまう可能性があります。

大切なのは、件名を見ただけでどのような内容のメールなのかがある程度分かるように工夫すること。【リーガルチェックのお願い】【依頼】など、相手のアクションを誘導するような言葉を冒頭に入れておくことが望ましいでしょう。

取引の全体像をしっかりと伝える

契約書に書かれている内容が正しいかどうかは、契約書単体を見ただけでは判断できないことも少なくありません。そのため、依頼メールでは取引の全体像や位置づけなど、契約書を取り巻く状況もしっかり伝えるようにしてください。そうすることで、法務担当や弁護士はより正確に契約書をチェックできるようになります。

依頼内容や目的を明確にする

何のためにリーガルチェックを行って欲しいのか、こちら側の意図や目的も伝えるようにしましょう。契約書に潜んでいるリスクを洗い出したいのか、少しでも自社に不利が出ない契約書にしたいのかなど、契約書によってゴールとするところは必ずしも同じではありません。

意図や目的をしっかりと伝えることができていれば、リーガルチェックの精度をより高めることができ、意味のない差し戻しや再チェックなどを減らしてコミュニケーションコストの削減も目指せます。

箇条書きを使って見やすく

リーガルチェックの依頼メールに記載すべき内容は多岐にわたりますが、それらをただ闇雲に文章に落とし込むのは避けましょう。長文になると、中身の見落としや意味の取り違えなどもおきやすくなってしまいます。

聞きたいことやお願いしたいことなどは、箇条書きなどを使いながらまとめるなど、見やすい文面にすることを心がけてください。

具体的な回答期日を示す

法務担当や弁護士は、他にもさまざまな案件を抱え、日々忙しく業務に当たっています。相手にも仕事の優先順位があるからこそ、依頼時は「なるべく早く」などのような曖昧な回答期日を示すのではなく、「〇日〇時」のように具体的な回答期日を示すようにしましょう。

そうすることで、相手は業務の振り分けができるようになるため、よりスムーズにチェックを進めることが可能になります。

リーガルチェックの依頼メール例

リーガルチェックの依頼メール例を紹介します。

―――――
宛名

お世話になっております。

〇〇と申します。

下記、リーガルチェックをお願いいたします。

・取引内容

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

・契約意図

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

・懸念事項

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

・回答期日

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

以上について、ご回答いただけますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

署名

――――――

別途、依頼メールの雛型が用意されている場合などは、その内容にしたがって必要事項を埋めていきましょう。

リーガルチェック後にやるべきこと

リーガルチェックは、依頼をしたら業務完了というわけではありません。リーガルチェックによって返ってきた修正案は、必ず自分たちで確認するようにしましょう。法的に必ず記載しなければならないような文言を除けば、修正案はあくまでも法務担当や弁護士からの提案であり、取引や契約書における正解ではありません。取引先との関係性によっては、あえて記載しない方が良い内容や文言などもあるでしょう。

どうすればより円滑にビジネスを進められるようになるかを考えながら、修正案も踏まえつつ、契約内容を見直していくようにしてください。

リーガルチェックを効率化しよう

リーガルチェックの概要と、依頼の際に気を付けたいポイントについて解説してきました。ビジネスにおける重要なステップであり、また手間もかかる作業だからこそ、ミスなく効率的に進めていきたいものです。

リーガルチェックのさらなる効率化を図るならば、GVA assistなどのAIツールを活用すれば、よりスピード感をもって契約を進められるでしょう。
また、マターマネジメントシステム「GVA manage」であれば、リーガルチェックを効率化できるGVA assistと連携して契約書を一元管理することも可能です。導入の工数もかからないため、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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