法務コラム
Wordでの契約書比較に疲弊していませんか?契約書の差分チェックのような単純作業をOLGAのAIで大幅に効率化
投稿日:2025.06.02
契約書レビュー、押印前の変更箇所チェック、自社契約書ひな型や社内規定の変更、周知など、法務担当者の業務は多岐に渡ります。中でも、契約書レビューにおいてどこが変えられたのか確認したり、押印前に契約書の内容が変えられていないか確認したりなどの契約書の比較作業は、見落としが許されない上に、地道で時間もかかる作業ですよね。毎日数件は発生し、見落としがないよう神経をすり減らしている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、Wordでの契約書比較の限界と、それを解決する「OLGA」というツールについてご紹介します。OLGAを使えば、契約書比較のストレスから解放され、本来注力すべき業務に集中できるようになります。契約書の内容の差分チェックのような単純作業を、もっと楽にしたい、効率化したい、と考えている方必見です!
目次
従来の契約書比較作業の実態
Wordの比較機能は、文書間の変更箇所を可視化する便利なツールですが、以下のような課題が存在します。
細かすぎる差分の表示
Wordの比較機能では、句読点の位置の変更や、半角スペースと全角スペースの区別、インデントのわずかなずれ、フォントや文字サイズの変更など、細部にわたる書式の変更もすべて「差分」として表示されます。契約書などの重要な文書の比較においては、これらの細かな差分が多数表示されることで、本当に重要な内容の変更箇所が埋もれてしまい、見落としやすくなります。
条文の並び替えによる混乱
条文の順番が入れ替わった場合、Wordの比較機能では、元の条文が削除され、新しい条文が追加されたという形で表示されます。実際には条文の内容自体は変わっていないにも関わらず、差分として大きく表示されるため、変更内容の把握が困難になります。
表組みの扱いの難しさ
Wordの表組みは、わずかなセルの結合や分割、罫線の変更などでも差分として認識されます。複雑な表組みが含まれる文書の場合、比較結果が非常に煩雑になり、どこが実際に変更されたのかを正確に把握することが難しくなります。
変更履歴の煩雑さ
差分のある箇所は変更履歴として表示されるため、どこがどう変わったのか読み取りづらいという問題もあります。書式変更や追加、削除が1箇所に全て表示されるため、元の内容がどうだったのか、どこがどう変わったのか把握するのが負担でした。
これらの課題により、Wordの比較機能を使った契約書などの文書比較作業は、非常に時間と労力がかかります。特に、重要な契約内容の変更を見落とすリスクは大きな問題であり、より効率的で正確な比較ツールが求められる背景となっています。
Wordでの契約書比較を最大限に工夫する方法:Wordでもここまでできる
「理想はシステム導入だけど、今すぐには難しい」という方もいるでしょう。Wordでも、運用ルールの見直しや機能を活用することで、一定の効率化は可能です。以下にそのコツを紹介します。
スタイル機能の徹底活用
自社の契約書ひな型の条文、見出し、本文、注釈など、各要素に個別のスタイルを適用します。これにより、書式変更を最小限にとどめることができ、契約書の差分をチェックする際に、内容の変更のみが表示されやすくなり、差分のある箇所を簡単に把握することができます。
また、よく使う契約書の書式をテンプレートとして作成し、法務部内で共有します。これにより、新規に契約書を作成した際も統一されたスタイルを使用することができ、書式変更などの差分を最小限にすることができます。
使用文言の統一
契約書内で使用する用語や表現について、社内で統一ルールを設けます。例えば、「〜するものとする」は使用せず「〜する」としたり、「及び」「又は」などを漢字に統一するといった表現の使い分けや、特定の専門用語の定義などを明確化します。これにより、統一された文言を使用することで、Wordの比較機能を用いた際に、文言の変更による不要な差分表示を減らすことができます。
これらの工夫によって、Wordでの契約書比較作業は一定程度効率化できますが、あくまでも、自社の契約書ひな型を使用する場合に限られます。相手方の契約書がどういう構成、どういう文言を使用して契約書を作成するかはコントロールできず、また、自社の契約書ひな型であっても、相手方がスタイルを崩して編集をする可能性があるため、結局は差分のある箇所をうまく把握できないという課題は残ります。Wordの比較機能にも限界があることを理解しておく必要があります。
従来型フローの構造的な問題点/限界
Wordでの契約書比較を最大限に工夫しても、なお残る構造的な限界や問題点について詳しく見ていきましょう。これらの問題点は、業務効率やリスク管理に大きな影響を及ぼす可能性があります。
差分の見落としによる重大なリスク
Wordの比較機能では、句読点やスペースの変更、文字色、インデントなど、細部にわたる差分が全て表示されます。そのため、契約書の重要な条項の変更や、金額、日付などの重要な数値の変更が、大量の細かな差分に埋もれてしまい、見落としてしまうリスクがあります。特に長文の契約書や複雑な契約条件が含まれる場合、全てを目視で確認するのは非常に困難です。小さな修正を見落としただけでも、後々大きな法的リスクや経済的損失につながる可能性があります。例えば、契約金額の単位が「万円」から「円」に変更されていた場合、それに気づかずに契約を締結してしまうと、会社に大きな損害が発生するでしょう。
時間と労力の浪費がもたらす業務への圧迫
上記のような見落としのリスクを最小限にするため、何度も何度も見直したり、ダブルチェックを行ったりすることもあります。この場合、その作業だけで時間や複数メンバーの工数を奪うことになります。これは法務担当者の大きな負担となり、本来注力すべき他の重要な業務に時間を割けなくなってしまいます。例えば、新たな法規制の調査や、社内向けの法務研修の準備、リスクの高い契約書の詳細なレビューなどが後回しになってしまう可能性があります。また、長時間にわたる単純作業は集中力を低下させ、さらに見落としのリスクを高める悪循環を生む可能性もあります。
ファイル形式の制約と押印業務における非効率性
Wordの比較機能は、当然Wordファイル同士の比較しかできません。Wordファイル同士の比較しかできないという制約は、実際の業務において大きな障害となります。契約書のドラフトはWordで作成されることが多いですが、最終的な契約書はPDFで押印されることが一般的です。押印前後のファイルに間違いがないかを確認する際、WordとPDFで比較したくても、Wordの比較機能ではそれができません。そのため、PDFファイルとWordファイルとを目視で見比べる、という非効率な作業が必要になります。この作業は非常に手間がかかり、見落としや確認漏れのリスクも伴います。
これらの構造的な問題点は、Wordでの契約書比較をどんなに工夫しても解消することが難しいものです。そのため、より効率的で正確な契約書比較ツールを導入することが、業務効率化やリスク管理の観点から重要になってきます。
OLGAがもたらす解決策とメリット
Wordでの契約書比較の課題を解決するのが、GVA TECHが提供する「OLGA」です。OLGAは、AIを活用した高度な文書比較機能により、法務担当者の皆様が抱える課題を解消し、業務効率化とリスク管理の強化を実現します。
AIにより、法務担当者目線で不要な差分を排除
OLGAは、契約書や社内規定などの差分チェックに特化しているため、法務担当者目線で不要な差分を表示しません。
1つ目は、書式変更など形式的な差分です。
Wordの比較機能の場合、文字色の変更やインデントの変更など、契約書の内容には意味のない変更も全て差分として表示されるため、重要な差分を見落としてしまうリスクがありました。OLGAは記載されているテキスト情報のみを差分チェックの対象として採用するため、内容の変更のみを差分として表示します。これにより、法務担当者目線では意味のない形式的な差分に、重要な差分が埋もれてしまうことがありません。
2つ目は、条文の入れ替えによる差分です。
OLGAは、AIが契約書の構造を解析し、条文単位で差分を抽出します。単なる条文の並び替えは、契約書の内容に変更がないため、法務担当者としては無視できるものです。ただし、Wordの比較機能では条文の追加と削除や移動という扱いになるため、ただ条文を並べ替えただけなのか条文内容が変わったのかどうか、ぱっと見では判別が難しいものでした。OLGAは内容の近い条文同士を比較するため、単なる条文の並び替えは条文番号の違いとして表示します。これにより、単なる条文の並び替えの確認も、時間をかけず把握することができます。
新旧対照表形式での表示と色分けによる視認性向上
OLGAは、抽出した差分を新旧対照表形式で表示します。この表示の方法は、法令等の改正がある際に官公庁が公開する新旧対照表を参考にしており、法務担当者のみならず、公的な文書を見たことがある方には馴染みやすい形式です。
変更箇所は色分けされるため、どこがどのように変わったのかを直感的に理解できます。元の文書と変更後の文書を見比べながら差分を確認できるため、Wordの変更履歴の見方に慣れていない方でも、スムーズに内容を把握できます。
また、条文の追加、削除といった構造的な変更も、OLGAなら一目で把握できます。変更された条文の内容だけでなく、どの条文が追加・削除されたのかも明確に表示されるため、契約内容の全体像を正確に把握できます。
これによって、重要な変更点を見落とすリスクを大幅に軽減し、レビュー作業の質を向上させます。
WordとPDF、スキャン文書も比較可能な柔軟性
OLGAは、Wordファイル同士、PDFファイル同士はもちろん、WordとPDFの比較も可能です。契約書のドラフトはWordで作成し、最終版はPDFで押印するといった場合でも、OLGAなら形式を気にせず比較できます。さらに、OCR機能も搭載しているため、スキャンした紙の契約書もデータ化して比較できます。これにより、紙媒体で保管されていた過去の契約書との比較も容易になり、目視での差分チェックや、差分チェックのために紙の契約書をWordに変換するなどの負荷の高い作業を大幅に軽減します。
データを蓄積する基盤としての効率化
Wordの比較機能は、開いているWordファイルとは別に、比較したいファイルをそれぞれ選択する手間がありました。比較したいWordファイルを事前に自分のPCに保存しておく手間があるため、内容を比較したいときにすぐ比較作業が行えないもどかしさがあります。また、保存する場合も、ファイル名や保存場所に気をつけなければ間違ったファイル同士を比較してしまうリスクがあり、ファイル選択にも手間がかかっていました。
OLGAはクラウド型の法務データ基盤として提供されているため、法務部門で対応した案件の情報が自然と時系列で蓄積されていきます。これによって、契約書の前バージョンとの比較や自社の契約書ひな型との比較も、ワンクリックで瞬時に行うことができます。このため、ファイル保存の手間やファイル選択時に神経を使うことなく、契約書を比較したいと思ったときにすぐ比較結果を手に入れることができます。
情報共有の効率化
Wordの比較機能では、どこに差分があるのかスクロールして探す手間があり、意図せず通り過ぎてしまい見落としが発生することがありました。OLGAは条文ごとに比較を行うため、差分のある条文だけに絞り込んで表示することができます。これにより、変更点が誰にでも一目でわかります。また、OLGAに表示されるわかりやすい比較結果をそのまま、Excel形式でダウンロード、又はクリップボードにコピーすることも可能です。もちろん、差分のある条文に絞り込んだ状態でダウンロードやコピーもできます。
これらを活用して、契約書の締結稟議の際に、契約書のどこにどんなリスクがありどう変更したのかなどの資料としてExcelファイルを添付したり、自社の契約書ひな型や社内規定を改訂した際に、どこがどう変わったのか社内に周知する資料として社内のイントラネットに記載したりなど、他部門との情報共有にも活用できるようになります。
これらの機能により、OLGAは契約書比較の作業効率化だけでなく、企業全体の法務リスク管理体制の強化に貢献します。
導入企業の声
OLGAで効率化を実現!
実際にOLGAを導入した企業からは、以下のような声が寄せられています。
郵船ロジスティクス株式会社様
「毎日1時間半かかっていた案件受付業務がゼロに。
類似案件の検索やノウハウ共有がスムーズになり、
業務キャパシティが飛躍的に向上しました。」
株式会社エムティーアイ様
「年間1万件のExcel転記・ファイル格納がゼロに。
検索・分析の効率が圧倒的に改善されました。」
まとめ:契約書比較でのリスク管理を実現するならOLGA
Wordでの契約書比較には、限界があります。日々の業務に追われ、重要な変更点を見落としてしまうリスクや、非効率な作業に時間を費やしてしまうことは避けたいものです。
OLGAは、AIによる差分抽出や新旧対照表形式での表示により、契約書比較の効率化と精度向上を実現します。WordとPDFの比較も可能になるため、様々なファイル形式に対応できます。
その他にも、OLGAには、法務業務を効率化するための様々な機能を搭載しています。例えば、法務依頼案件の管理、業務負荷分析、過去の対応記録に基づいたAIによる提案などが可能です。
OLGAを導入することで、契約書比較のストレスのみならず、他部門から依頼を受けた案件の管理をするためのExcel作成や、過去対応した案件を探し出す検索負荷などから解放され、本来法務担当者が注力すべき業務に集中できるようになります。
詳しくは資料をご覧ください