さまざまな種類がある契約業務の中でも、特に重要度が高いのが契約審査です。契約審査は、その後の取引を円滑に行い、数あるリスクを回避するために必須のフローといっても過言ではありません。しかし一方で、契約審査がなぜそこまで重要視されるのか、その意義についてまで深く理解している人は多くないのではないでしょうか。ここでは、契約審査の概要とその意義、各プロセスの詳細について、詳しく解説します。
目次
契約審査とは
契約書の不備を見つける重要業務
契約審査とは、取引先との取引内容をまとめた契約書をレビューする、一連のフローのことです。契約書に記載されている文言は、それぞれ法的な力を持っており、その内容如何によっては大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。そうしたリスクを排除し、自社はもちろん取引先にも不利益を出さない、正しい契約を行うために行われるのが契約審査です。
契約審査を行う意義
取引先と正しい契約を進めるために必須の契約審査。ここからは、契約審査を行う意義についてより詳しく見ていきましょう。
契約に関する不明点を解消できる
契約書に記載されている内容は、必ずしもわかりやすいものとは限りません。場合によっては専門的な用語が用いられ、一見しただけではその意味や内容が理解しにくいケースもあるでしょう。これらを放置しておくと、お互いの解釈違いによってトラブルが発生してしまう可能性もあります。契約審査によって疑問点を洗い出せば、専門用語や文言の解釈違いを誤解を解消でき、こうしたリスクを避けることができます。
片方に不利となる契約を避けられる
意図のあるなしを問わず、契約書に記載されている内容によっては、自社もしくは取引先が一方的に不利になってしまうケースがあります。自社が不利になるのは当然避けなければいけませんが、一方で取引先が不利になってしまっているのを黙認するのも適切ではありません。場合によっては、そのことが原因で契約破棄や想定外のトラブルが巻き起こってしまうこともあるでしょう。双方が納得できる契約書を作成するためにも、契約審査は重要なのです。
契約そのものが違法でないかがわかる
法律は定期的に改正されており、これまでは特に問題のなかった契約でも、現時点では法律違反になってしまっているケースもあります。また法律に基づいて正しく記載された契約書でなければ、そもそもの契約が無効になってしまう可能性も高いでしょう。こうした事態を防ぎ、法的に問題のない契約を締結するのにも、契約審査は役立っています。
トラブル防止や被害拡大を抑えられる
どれだけ注意を払い、リスクヘッジをしていたとしても、トラブルが起きる時は起きてしまうものです。そうした万が一の時に備えるために、トラブル時の対応についても契約書に記載しておくことが望ましく、そのための条文追加も契約審査の重要な役割となっています。トラブル発生時に被害を拡大させないようにしたり、トラブルが起こりそうな状況を事前に回避できるようにしましょう。
契約審査の一般的なフロー
取引先との契約書の内容をレビューする契約審査は、どのようなプロセスで行うのでしょうか。契約審査の一般的なフローを紹介します。
契約審査の依頼受付
営業部署など、取引先と契約を結ぶ担当部署から依頼を受ける形で契約審査がスタートするのが一般的です。依頼を受ける際は、担当者から契約の目的や背景をしっかりとヒアリングしておくことが重要です。目的や背景によって、必ず押さえておくべき事項やある程度なら妥協して問題ない事項などが変わるためです。
また、契約審査の依頼書のフォーマットを作成し、依頼に必要な情報を入力してもらうことで、業務の工数を削減することもできます。
契約の内容把握
誤字脱字のような細かいミスがないかを確認するのはもちろん、契約の全体像を把握した上で、契約書の内容に不備やリスクが含まれていないかをチェックします。取引先や担当部署からコメントや質問が記載されている箇所については、特に重点的に確認しておきます。
契約書をチェックバックする
自社にとって不利な条項や最新の法令に違反している箇所など、懸念点や不明点、修正点があれば、その内容を契約書にコメントし、担当部署へチェックバックします。その際、「必ず修正すべき」「修正できない場合は妥協してよい」といったように、チェックした部分の重要度をランク分けしてあげると、担当者の理解も早まりその後のやり取りがスムーズになります。
取引先との契約交渉
チェックバックした契約書を元に、お互い納得のいく内容に仕上げるため取引先と契約交渉を行います。担当部署が取引先と交渉するのが一般的ですが、場合によっては法務担当者が担うケースもあります。担当部署に交渉を任せる際は、修正の意図が伝わるよう分かりやすいコメントを残したり、直接補足説明したりするとよいでしょう。
最終版審査&契約締結
交渉と審査を繰り返し行い、お互い納得した契約書の最終版が完成したら、内容に不備や抜け漏れがないか最終確認を行います。問題なしと判断できれば、晴れて最終締結となります。
なお、契約審査を効率化するためのAIツールが近年注目を集めています。AIが契約書の文言を検知し、リスクを判断したり修正例を提示したり、表記ゆれなどの不備を一括修正したりと、手間のかかる業務を自動化できるのが、OLGAのAI契約レビューモジュールなどに代表されるAIツールです。ツールを活用すればチェックや修正の工数を削減し、細かな確認や交渉に注力できるようになります。
重要な契約審査業務を効率化するために
契約審査の概要や意義、業務フローについて解説しました。取引先とのトラブルを防ぎ、適切な契約を交わすために必要不可欠な契約審査は、法務にとって最重要ともいえる業務です。
OLGAのAI契約レビューモジュールなどのAIツールを活用すれば、よりスピード感をもって契約を進められるでしょう。
またOLGAの法務データ基盤モジュールは、契約審査を効率化できるOLGAのAI契約レビューモジュールと連携して契約書を一元管理することが可能です。案件単位で情報を蓄積し、データ分析や過去の事例参照も行えます。工数もかからず手軽に導入できるため、法務業務の効率化に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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