「OLGAの法務データ基盤モジュール」は2023年1月にリリースされたばかりのリーガルテックサービスですが、早速活用いただいている企業様から、導入の背景や目的、効果についてお話しいただく事例セミナーの第一弾として、株式会社ココナラ 法務チームマネージャーの青木聡士様をお招きしました。
前半では青木様にココナラ様の法務DXの全容についてお話しいただき、後半は弊社代表の山本がモデレーターとなり、青木様との対話を通じて、法務DXの進め方についてお話を伺います。
第一部:ココナラの法務DXの全体像とは
青木聡士様(以下、青木様):
皆様こんにちは、株式会社ココナラ 経営管理部 法務チームマネージャー、青木と申します。本日はよろしくお願いいたします。
まずは株式会社ココナラの紹介から始めたいと思います。当社は上場しており、大きく3つの事業を展開しています。一つ目はスキルマッチングサイト「ココナラ」、二つ目は昨年11月にリリースした業務委託案件をつなぐ「ココナラエージェント」、そして三つ目はユーザーと弁護士をマッチングする「ココナラ法律相談」です。また、子会社「ココナラスキルパートナーズ」を通じて、ベンチャー企業を中心に投資事業も行っております。当社の事業に興味がある方は、ぜひお声がけください。
次に、ココナラの法務体制と業務内容についてご説明いたします。現在、法務チームは2名で構成されており、契約書の審査や法律相談に対応しているのは私1人です。もう1名は主にアシスタントのため実質一人法務と言っています。
業務内容は幅広く行っており、契約審査から取締役会や株主総会の対応、コンプライアンス委員会の運営なども行っております。コンプライアンス対応として、研修も実施しております。また、新規事業の適法性相談や、法務関連での経理法の質問や社内トラブル、訴訟などの対応も幅広く行っております。
リーガルテックの利用においては、このセミナーを開催している OLGAの法務データ基盤モジュール を受付管理サービスとして導入しております。次に、AI契約レビューについては LegalForce を導入しております。電子契約については GMOサインとクラウドサインの2つを導入しており、それらの違いについては後ほどお話しできればと思っております。契約書の管理サービスについては LegalForceキャビネを使っており、社内規程の管理や利用規約の管理については LAWGUE を利用しております。
では、ここからそれぞれどのようなきっかけで導入したのか、どのような効果があったのかについてご説明いたします。
AI契約書レビューの導入
青木様:
まずはAI契約書レビューについてです。この部分では、先ほど説明した通り LegalForce を導入しております。導入のきっかけとしては、まず一人法務という状況があり、ミスが起きる可能性を減らしたかったことが要因です。
LegalForce を選んだ理由としては、ココナラは自社の契約書の雛形が非常に少なく、OLGAのAI契約レビューモジュール が得意とする雛形との比較によるレビューがあまり発生しないためです。LegalForce については、雛形との比較だけでなく、汎用的な感じでレビューしてくれるので、その点で適していると判断しました。さらに、契約書の管理で LegalForceキャビネを導入しており、将来的に接続する可能性があるという点も考慮して、LegalForceキャビネを導入しました。
AI契約レビューの導入効果としては、契約書を私がレビューする前に、一度 LegalForce でチェックすることで、見るべきポイントを絞ることができ、契約書のレビューにかかる負担が大幅に減りました。さらに、自社雛形を使って取引を行っているココナラエージェントですが、最近は相手方から修正の内容が来ることがあります。しかし、時折履歴がない状態で送られてくる会社もあり、その場合 Word で比較するのは大変です。しかし、LegalForce では、適切な提案をしてくれるので便利でした。このような利用を通じて、契約書のレビューにかかるスピードや負担が減り、作業が楽になりました。
電子契約の導入
青木様:
次に電子契約ですが、GMOサインとクラウドサインを導入しています。GMOサインについては、私が去年8月に入社した時点で既に使われていました。
私が入社してから、前任から電子契約の締結業務も引き継いだのですが、実際に GMOサインを使っているケースはあまり多くなかったというのが現状で、クラウドサインがよく使われていました。業務をDX化するにあたっては、多く使われている電子契約サービスを導入するのが最適だろうと判断し、クラウドサインも導入しました。
また、クラウドサインを導入しただけでなく、稟議システムとクラウドサインのAPI接続も行っています。稟議システムで承認が得られた場合、クラウドサインに自動的に必要な情報が送られ、それが相手方に自動で届くような仕組みを構築しています。
当社の稟議システムはジョブカンを使っており、クラウドサインとのAPI接続は提供されているものの、使い勝手が良くないという点があり、当社のニーズに合わなかったので、最近流行りの iPaaS と呼ばれる仕組みを使って、稟議システムとクラウドサインを当社の要望に合った形でつなぐ仕組みを構築しました。具体的には Yoom(ユーム)というサービスを利用しています。
これにより、クラウドサインに直接つなぐだけでなく、間にスプレッドシートを挟んで締結一覧を作成し、それが終わったらクラウドサインに送信する際に共有者も設定できる仕組みを作っています。
さらに、GMOサインも導入しているため、稟議の中で GMOサインかクラウドサインかを選択できるようにし、選択した電子契約サービスに情報を送る仕組みを構築しています。
前職でもこういった仕組み作りをしていたのですが、開発に数百万円や年間数十万円かかることもありました。しかし、Yoom というサービスを利用することで、初期費用はほぼゼロで月額費用のみがかかるため、非常に安価に業務のスピードアップが実現できました。ノーコードやローコードのツールを使うことで法務担当者が自由に業務の自動化や改善ができるので、非常に便利なサービスだと思っています。
今までクラウドサインを送る際に、担当者から送る情報を私に連携してもらい、私の方でクラウドサインを設定して送るという手間が必要でした。しかし、Yoom によって稟議システムと電子契約が連携できたことで、担当者が全ての情報を入力し、申請するだけで済むようになりました。これにより、締結までのスピードアップが実現できたと思います。
当社は非常にテレワークが多い環境になっているため、契約締結業務をDX化することでワークライフバランスの改善にもつながっていると認識しています。また、物理的な郵送代が削減できることも大きな効果として感じています。
契約書管理の導入
青木様:
次に、契約締結済みの契約書の管理についてですが、LegalForceキャビネを導入しています。入社した時点で、契約書の管理は比較的整っており、PDF化された契約書がフォルダに保管され、スプレッドシートで必要な項目が記載されて1年毎に分かれて管理されていました。ただし、契約書の保管だけでなく、後で何かあった時にすぐに中身を確認できることが重要だと思っており、現状の管理方法では不十分だと感じました。
そこで、前職でもLegalForceキャビネを使っていた経験があり、ココナラでも導入することにしました。導入する際に、リーガルテックが盛り上がりを見せ、さまざまな契約書管理サービスが登場していたため、改めて比較検討しました。多くのサービスではPDF化した契約書を登録し、管理項目を入力できるものの、中身まできちんと管理できるサービスは少ない印象でした。
LegalForceキャビネでは、メモ機能があり、重要なリスクについてメモができるため、中身の管理が容易でした。また、LegalForceキャビネの利便性と効果については、PDF化した契約書をアップロードするだけでAIが必要な項目を抽出し、その後オペレーターが手動で登録項目を修正してくれるため、当社としては非常に楽だと感じています。その後も検索しやすさなど良い点が多く、導入して良かったと感じています。
GMOサイン、クラウドサイン、LegalForceキャビネがAPI接続できる仕様になっており、クラウドサインで締結されたものが LegalForceキャビネに自動的に連携されることもできます。GMOサインも同様です。稟議から電子契約の締結、LegalForceキャビネへの契約書データ連携が一貫して行えるため、人の手があまり関わらない形で、保管漏れリスクも減り、手間も大幅に削減できました。また、漏れが少なくなることで内部統制の向上にもつながっています。
社内規定や利用規約管理の導入
青木様:
次に、社内規程や利用規約の管理についてです。社内規定の管理には専用のサービスもありますが、当社は LAWGUE を導入しています。
以前はファイル共有サーバーでカテゴリ別にフォルダ分けして管理していましたが、バージョン管理が正確にされていない状況で、過去の変更履歴が分かりづらい状態で、この点を改善したいと考えました。また、私は取締役会の運営も担当しており、過去の議事録を確認する際に過去のフォルダを探さなければならない状況がありました。そのため、検索や議事録の作成などの作業を効率的に行いたいと考えました。
LAWGUE では、書類のフォルダ分けができて、社内規程、契約書の雛形、議事録、利用規約などを分けることができます。それぞれの必要なものを入れて、LAWGUE の校正機能を使って、社内規程の変更後のものを作成したりすることができます。特に当社の利用規約は全部で76条から成り立っており非常に長いものですが、LAWGUE には条文ずれを自動的に防ぐことができる仕組みもあり、作成業務の負担が減りました。汎用性がある LAWGUE を利用することで、幅広い利用ができると感じています。
業務案件管理の導入
青木様:
最後に業務案件管理についてです。色々リサーチしましたが OLGAの法務データ基盤モジュール を導入しました。弊社はコミュニケーションツールとして Slack を使っており、契約書のレビュー依頼や法務相談を Slack 内で受け付けていましたが、DMやチャンネルで受け取った案件をスプレッドシートに転記して管理していたため、非常に大変でした。また、Slack では過去の情報を探すのが難しく、ナレッジの蓄積や共有がうまくできていない状況でした。
そこで、業務案件の管理やナレッジの共有がうまくできる仕組みを探していたところ、OLGAの法務データ基盤モジュール を見つけました。リリースされてすぐに問い合わせました。
OLGAの法務データ基盤モジュール を導入した理由として、まず操作がシンプルで、既存のやり方を大きく変えなくても良いという点が、当社にとって非常に重要でした。また、OLGAの法務データ基盤モジュール は Slack と連携しているため、事業部サイドは依頼時だけ URL からアクセスしてフォームから依頼することになりますが、その後のやり取りはすべて Slack で完結できるため、利用者である事業部の方に大きな変更の負担をかけずに済みます。これにより、導入のハードルが低かったと感じています。
法務が案件を受け付けるためのサービスは他にもあると思います。利用者側の事業部にIDを割り振ってログインしてもらい、やり取りをするものもあります。しかし、わざわざ事業部にもID発行をするとなると法務部門側でアカウント管理が必要になり、負担が増えます。OLGAの法務データ基盤モジュール では事業部向けのアカウント管理が不要なので、導入時のハードルだけでなく、導入後の運用においてもハードルが低いと感じています。
導入の効果として、これまでスプレッドシートで転記していた作業が不要になり、負担が減ったことや、転記する時間が削減できたことが大きかったと思います。また、ステータスの変更もスプレッドシートで行っていたのですが、OLGAの法務データ基盤モジュール では相手方に返す時に自動的にステータスが変更されるので、その手間も省けるようになりました。
さらに、過去の案件や対応済みの案件についても探しやすくなり、どのような内容で対応したのかが、契約書単位ではなく1つの案件ごとに OLGAの法務データ基盤モジュール で管理できるため、過去の案件ではどのような資料のやり取りがあったのか、どのような添付資料があったのかなども一元的にわかりやすく見ることができます。このため、リスク管理の面でも非常に有用なサービスだと感じています。
また、GVA TECHさんのサービスであるため、LegalForce との相性についても疑問に思うかもしれませんが、特に違和感はありません。受付は OLGAの法務データ基盤モジュール で行い、AI契約書の初期レビューについては LegalForce で行っており、問題なく進められています。現在、OLGAの法務データ基盤モジュール から必要な契約書をダウンロードし、LegalForce に取り込むことについても、特に問題はなく、それほど手間暇はかかっていません。
このため、OLGAの法務データ基盤モジュール はどの契約書審査レビューとも相性の良い、非常に使い勝手の良いサービスだと感じています。さらに、データが蓄積されることで業務内容や業務量の可視化につながり、今後の人材育成やナレッジ共有にも役立ちます。また、業務量の増加が客観的に把握できるようになるため、人材を増やす際の説明資料にも活用できると思います。
以上で、OLGAの法務データ基盤モジュール についてのご紹介を終わりたいと思います。非常に良いサービスだと感じています。
第二部:パネルディスカッションで、リーガルテックを導入に向けて社内の推進を推進するポイントを解説
GVA TECH山本(以下、山本):
GVA TECH 代表の山本です。ここからは私から青木様に色々とお伺い致します。
早速ですが、多岐に渡るツールを導入されていらっしゃいますね。他社の法務担当者さんと話すと、経営陣の理解が足りず導入できない、費用対効果が求められる、等と最初は大変だったという話をよく聞きます。青木さんが実際どのように稟議を進めたのか、どのようなハードルがあったのか、お話いただけますでしょうか。
青木様:
まず、弊社の背景としては、会社全体でナレッジの共有と業務の可視化に力を入れているという点があります。これは最近多くの会社でトレンドとして上がっていることだと思いますが、法務業務もナレッジ共有と業務可視化に取り組んでいかなければならないと考えています。
私としては、このナレッジ共有と業務可視化の部分でリーガルテックの力を借りた、ということになります。ここで、OLGAの法務データ基盤モジュール の稟議項目を参考にしましたが、まず OLGAの法務データ基盤モジュール のサービス概要を簡単に説明しました。
本当に既存のやり方を変えないツールであり、サービスとして非常にシンプルなので、そこまで細かくサービス内容について書いたわけではありません。通常の法務受付や案件管理サービスで、どのようなことができるかというような内容を書きました。その後、導入のメリットについて書きました。
OLGAの法務データ基盤モジュール のメリットは、法務案件の事前管理ができるようになり、今までスプレッドシートで行っていたものがこれでできるようになるため、ナレッジマネジメントにつながるという点です。また、スプレッドシートでは、歴代の法務担当者でそれぞれ記載項目が異なるという問題がありました。そういった点に頼らずできるということが非常に良いと思います。
既存のやり方を変えないという点で、事業部にアカウントを渡すわけではなく、最初に専用フォームから依頼してもらうだけで後は Slack でやり取りできる、ということを説明しました。リーガルテックを導入する際の一番の協力者は法務ではなく事業部側なのですが、事業部にとって OLGAの法務データ基盤モジュール を導入することによるメリットや負担があまりない、ということを強調できたのが非常に大きかったと思います。当社は Slack を使っていますが、OLGAの法務データ基盤モジュール はメールでのやり取りもできるため、本当に汎用性があるサービスだと思っています。
他のサービスでは事業部にもアカウント発行が必要だったり、やり取りが煩雑で法務担当者にも利用者にも負担がかかるため、そういったサービスは導入できないと考えました。しかし、OLGAの法務データ基盤モジュール は既存のやり方を変えずにナレッジ共有もできるし業務の可視化もできるので、これが最適だという話をしました。
リーガルテックの導入については、最終的には費用が一番のハードルだと思います。そのサービスを導入することによってどのような削減が見込まれるのかということを定量的・質的な両面から出したところにあります。正直、定量的な面から考えると、費用対効果の観点で全てを換算するのが難しいと思います。なので、質的な面で、これを導入することによって、お金には直ちに換算できないがこういった効果が得られる、それが会社にとってどのようなメリットがあるか、ということを強調して説明しました。
最終的には、定量・質の両方が相乗効果があるということで、会社を動かしていくところになります。ココナラでは、前職でのDXの経験が高く評価され、導入する際のハードルがそれほど高くなかったのですが、前職は金融系だったことから新たなツール導入は非常にハードルが高く、導入に1年ほどかかったりしたことがありました。そういった経験もあり、弊社ではハードルはそんなに高くないが、しっかりと説明していくことが大切だと考え、定量的・質的な面で説明し、役員を含めて承認してもらいました。
今回はいろんなサービスを導入しましたが、全体的に導入することによって相乗効果が期待できると思います。どこかで導入を検討することもあるかもしれませんが、法務業務全般をDX化することによって、より効果の高い内部統制を行うことが大切だと思っています。
OLGAの法務データ基盤モジュール 導入によって得られたメリットは「業務の可視化」
山本:
次のご質問です。OLGAの法務データ基盤モジュール導入後、法務部門や会社がどのように変わられましたか?
青木様:
OLGAの法務データ基盤モジュール は業務の可視化がメインの目的だったので、その可視化が実現できたことが大きいですね。アシスタントとの1on1ミーティングを2週間に1回ぐらいで行っているんですが、その際に今どういう状況なのかということも OLGAの法務データ基盤モジュール を使ってすぐに示すことができます。単純に何件開始したというだけでなく、どれくらいの時間で返したということも全部見られるので、本当に分かりやすく可視化ができるようになったと思います。
また、法務にくる案件受付のDXが進んだことで、人の手が関与する作業が非常に減ったということがあり、その減った分を新規事業などのサポートに回すことができるようになりました。それにより、会社全体がより良くなったと感じています。また、案件の漏れがなくなったことで、内部統制の向上にもつながり、過去案件の調査が楽になりました。これも業務内容の可視化やナレッジの共有に繋がっていると思います。
弊社の法務業務全体として、契約書のレビューから締結、保管、管理、そしてナレッジの再利用までDX化を進められたことで、事業部から法務の対応スピードが速くなったという声が寄せられています。それは会社全体として機会損失が減ったと感じています。お金にはすぐに換算できないですが、導入した効果が最終的には事業部側に還元できたと思っています。
リーガルテック導入の先に考えている法務のあり方
山本:
リーガルテックの導入はゴールではなく、その先に法務としてあるべき姿を実現するために取り入れられていると思いますが、青木様としてどのような姿を目指していらっしゃすのでしょうか。
青木様:
リーガルテックによって業務内容の可視化とナレッジの共有ができたことで、全体として法務担当者の負担削減や事業部へのスピードアップが実現できたという点は、先ほど説明しました。今後は、リーガルテックだけでは実現できない部分、具体的にはリーガルリスクマネジメントに力を入れていきたいと考えています。
前職では金融機関で働いていたため、事業部サイドには結構堅い回答をしてしまったり、「それはできない」と言ってしまったりしていましたが、今は事業部がやりたいことに寄り添って、どうすれば実現できるか、改善策はなにかを考えていきたいと思っています。リーガルテックによって削減できた時間や負担を利用して、事業部に寄り添い、リスクを抑えながら事業部のやりたいことを実現させ、売上などを最大化できるような支援をしていきたいです。
リーガルリスクマネジメントについては、最近国際規格ができたということで、それを採用し、現在はその基準に沿った体制を構築しているところです。
OLGAの法務データ基盤モジュール を実際にどのように使っているか
山本:
視聴者の方から、OLGAの法務データ基盤モジュール を具体的にどのように使われているかというご質問をいただいているので、画面を見ながらご質問させてください。
青木様:
はい。まず OLGAの法務データ基盤モジュール で一番気に入っている点は、先ほどお話しした通り、事業部のプロセスが変わらないという点です。
まず、受付の際の入力フォームはカスタマイズできるのですが、弊社がそれほどカスタマイズしていません。ほぼデフォルトの設定で使っています。取引の種類は、当社の実態に合わせて修正しましたが、それ以外はほとんど修正していません。また、当社では部門というものがあまり関係ないため、部門に関する設定は削除しました。それ以外の部分は、汎用的なもので使っています。初期設定もほとんど必要ない感じですね。
山本:
事業部が実際に運用開始する際は、OLGAの法務データ基盤モジュール の専用URLを事業部サイドに渡して、説明会をしたという進め方でしたでしょうか?
青木様:
いえ、OLGAの法務データ基盤モジュール については説明会は行っていません。会社全体で毎週集会があるのですが、その際に OLGAの法務データ基盤モジュール の導入を発表し、URL からアクセスできるよう案内しました。簡単なPDF資料も添付しましたが、実際の画面は見せずに依頼しました。
依頼には、フォームと Slack を使っています。Slack のチャンネルに URL を貼り付けて、それぞれから依頼を受け付ける形にしました。例えば、依頼者の名前や上長を選び、概要ポイントや参考資料、希望納期を入力して送信します。納期は原則として2営業日以上に設定しています。
事業部がフォーム送信すると、法務が見られる画面に依頼通知が届きます。アサインや中身の確認などを行いますが、事業部サイドがどのように見えるかというと、Slack のマネージャーアプリから自動で依頼内容が表示されます。依頼者に対して、例えば「背景をもっと教えてください」と連絡をすると、依頼者へのメッセージ欄に届きます。依頼者は Slack 上で返信し、基本的には新しい情報が追加される形になります。CCに指定できる機能も非常に便利ですね。
やはり、案件を知ってほしいという人もいるので、一対一だけでなく、一斉にやりとりができる機能が非常に便利だと思っています。ありがとうございます。さて、今日はざっくりとなりますが、OLGAの法務データ基盤モジュール の導入事例をご紹介しました。ステータスが自動で変わる機能などもありますが、今回は詳しくお見せしていませんでした。
ステータスは、自動でメッセージに紐付いて変わるようになっています。今日は一番重要なポイントだけを紹介しましたが、Slack でやり取りした例がありますが、メールでも同様のやり取りができます。メールで返信するだけで、Slack と同様の機能が使えるので、併用も可能です。
山本:
ココナラさまの事例は、OLGAのサイトで公開されていますので、そちらもぜひご覧ください。
Q&A「リーガルテック導入の費用感は?」
山本:
さて、視聴者の方からご質問をいくつかいただいています。
「個別のコストの開示は難しいと思いますが、一連のサービスで年間どの程度のコストがかかっているか教えていただけませんか?」
青木様:
電子契約を除外すると、おおよそ年間200万円程度のコストがかかっている感じです。電子契約に関しては、どのプランを選ぶかによっても変わってきますので、一概には言い難いです。将来の案件引き継ぎなどを考慮すると、一人の社員を雇うよりは安いのかなという感じではありますね。
Q&A「リーガルテックと人事評価について」
山本:
次のご質問です。
「法務の業務量管理や人事評価は、どうしても定性的になってしまう部分が多いのが一般的だと思いますが、今回ご紹介いただいたツールを使って業務量管理や人事評価の定量的判断を行っているということはあるのでしょうか?」
青木様:
OLGAの法務データ基盤モジュールe にはまだダッシュボードのような機能は実装されていませんが、将来的には人事評価の面でも利用できるのではないかと思います。ただ、案件の重さは人それぞれなので、全ての評価がこのツールで行えるわけではないとは思います。
ですが例えば、ある人の業務量が現在非常に多いことが OLGAの法務データ基盤モジュール で確認できる場合、返答に時間がかかっているなどの情報をマネージャーが客観的に把握できます。そういった場合、負担が少ない別の人に仕事を振り分けることができるでしょう。また、どれくらいで案件を処理しているかという時間を把握できるので、案件の重さを考慮しながら、ある人が特定の案件についてうまくできていることを評価し、昇進や評価を上げるといった使い方もできると思います。
せっかくデータを収集しているので、やはりそれを見やすいダッシュボードで直感的に確認でき、人事評価にも活用できるし、経営陣にも業務内容がどれくらいで何をやっているかということが伝えられるようにしたいと思っています。
Q&A「法務の業務内容の可視化とは?」
山本:
それでは他の質問に進みますね。
「業務内容の可視化とは、契約審査の進捗管理がタイムリーにできるようになったということでしょうか。」
青木様:
OLGAの法務データ基盤モジュール を見るだけで、今どのような案件が来ているのか、どのような内容のものが来ているのかという案件の中身もすぐに把握することができるため、業務内容の可視化ができるようになりました。
案件の割り振りについては、現在私は一人で法務を担当しているので、すべて私が受け付けています。ただ、事務員やアシスタントが対応できるような案件についてはその方にやってもらっています。それ以外の契約書のレビューや法務相談は、私一人で全部やっていますね。
Q&A「OLGAの法務データ基盤モジュールは契約相談以外にも使える?」
山本:
「OLGAの法務データ基盤モジュール で、契約書以外にどのようなことを管理しているのでしょうか。例えば、部内での法令整備やルール制度の設計など、事業部からの依頼がない部内での業務についても含めていますか」
青木様:
チーム内の体制については、コミュニケーションの方法が課題としてあります。そのため、チーム内でのToDoやタスクについても、OLGAの法務データ基盤モジュール で管理できたらいいなと思っています。現在は1つのアカウントを私が持っているだけですが、将来的にはチーム全体内で OLGAの法務データ基盤モジュール を利用して、例えば開示請求の対応なども行いたいと考えています。
山本:
丁寧にご回答いただきましてありがとうございました。視聴者様からのご質問もお答えきりましたので、時間もちょうどですのでこれで本セミナーは終了したいと思います。青木様、ありがとうございました。
青木様:
ありがとうございました。
アーカイブ動画
セミナーのアーカイブ動画は以下よりご視聴いただけます。
歯車アイコンから再生速度を変えることができます。ぜひご視聴ください。
全社を支える法務OS「OLGA」
AI搭載により、データベース構築・ナレッジ活用・リスク可視化・事業側とのコミュニケーションコストを限りなく“0秒”に近づけることで、組織全体の工数削減と業務クオリティ向上を最大限に支援します。