「OLGAの法務データ基盤モジュール」は2023年1月にリリースされたばかりのリーガルテックサービスですが、早速活用いただいている企業様から、導入の背景や目的、効果についてお話しいただく事例セミナーの第二弾として、株式会社SHIFT 経営管理本部 経営管理部 法務グループの上西健太郎様をお招きしました。
前半では上西様に、SHIFT様の急成長を支える法務案件管理のあり方についてお話しいただき、後半は弊社代表の山本がモデレーターとなり、参加者様と上西様とのQ&Aを通じて法務業務のDXについてお話を伺います。
第一部:SHIFTの急成長を支える法務グループの全体像とは
上西健太郎様(以下、上西様):
株式会社SHIFT 経営管理部 法務グループの上西と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
簡単に自己紹介をさせていただきます。私は大学院の法学研究科を修了後、とある上場企業で法務を担当し、2019年の5月からSHIFTの法務部門に所属しています。本日は、我々がどのように法務案件管理に取り組んできたか、その経緯についてお話ししたいと思います。
まず、株式会社SHIFTについて簡単に紹介いたします。SHIFTは、ソフトウェアテストや品質保証といったサービスを提供し、その分野で急速に成長してきた企業です。2005年に創業し、2014年に上場した後も毎年高い売上高成長を続けてきました。
ソフトウェアテストは SHIFTの強みでありますが、SHIFTグループ全体として見れば、実はテストだけではなく他の分野にも手を広げています。毎年M&Aを通じて様々な企業と結びついて成長しており、ソフトウェアの開発や脆弱性診断、中古PC の販売など IT関連業務を幅広くSHIFTグループで扱っています。
法務としては、グループ会社が持つ様々な商材に関する契約書のレビュー等にも対応しています。私が入社した当初は数名だった法務部門も、現在では約10名と大きく成長してきました。その間どのように法務案件の管理に取り組んできたのか、経緯と経験について、今日は詳しくお話ししようと思います。
まずは私が入社した2019年5月の体制と状況についてです。当時、弊社のグループ連結での従業員数は約3,000人、単体では約1,900人で、グループ会社は13社ありました。法務の業務としては、ほぼ契約審査の対応と月次のeラーニング研修の対応だけでした。この時の契約審査の対応件数は月に80件程度です。
2023年5月現在は、従業員数はグループ連結で約1万人、SHIFT単体では5,500人と、従業員数は約3倍に増えました。グループ会社の数も34社となり、4年で20社ほど増えています。
現在、契約書の対応は月に数百件あり、月次のeラーニング研修だけでなく、特定部門向けの研修、機関法務、登記、知的財産管理など、一般的に法務が行うと考えられる業務を4年間で集約してきました。また、弊社は M&A が非常に多いため、M&A 対応も一部担当しています。
SHIFT で OLGAの法務データ基盤モジュール を利用するまでの変遷
上西様:
契約関連の業務は、案件の受付管理、審査、締結後の電子契約、契約書の管理という流れで進行します。
受付管理には、今まで使っていたツールを使用し、新たに OLGAの法務データ基盤モジュール も導入しました。契約書のレビューには、以前から OLGAのAI契約レビューモジュール を使用しています。電子契約サービスはコロナ禍の2020年4月頃から利用していますが、契約書の管理には特定のツールは使用せず、締結した契約書のPDFファイルと台帳の管理を人力で行っています。
また、リーガルテックとは少し異なるかもしれませんが、法令や判例等の検索データベースや、クラウド型のリサーチシステムを利用しています。これらがSHIFTの法務を支えるサービスです。
続いて、本日のテーマである案件管理の方法について、入社当時とこれまでの変遷についてお話します。
まず、私が入社した当初の案件管理は、事業部からの依頼方法が特に決まっておらず、チャットやメール、直接の声かけといった様々なルートで依頼が来ていました。また、案件の管理も月ごとのExcel台帳が作られていた程度で、それ以前のデータは個々のPCに保存されている状態でした。
そこで、まずは法務部門として依頼の受付方法をメールに一本化するルールを作り、メールで来た案件をExcelで管理し、共用フォルダに該当する番号とリンクするフォルダを作成し、関連するファイルを保存するというシステムを整備しました。これが第1段階です。
次に、このシステムを自動化できないかと考え、Microsoft の Power Apps と Power Automate を使用して、案件の受付管理を行うシステムを内製しました。これが第2段階です。
最後に、現在は OLGAの法務データ基盤モジュール を導入している段階になっています。この最終段階については、具体的な説明を後ほど行います。
自前から始めた法務案件管理のシステム化のステップ
上西様:
まずは、最初の段階であるメールによる一本化と管理、そして Power Apps と Power Automate を使用して内製でシステム管理していた時代について、ざっと説明させていただきます。
第1段階では、まずメールを使った案件管理の一本化を行いました。依頼が Microsoft Teams などのチャットから法務に来た場合も、依頼をメールで送ってくださいと再度お願いする形で一本化しました。この段階では、法務担当者がメールで受け付けた案件を手動で Excel の台帳に入力していました。都度、必要な項目を入力する作業が必要だったため、手間がかかる部分もありました。
また、審査資料、メールのやり取り、調査時のメモ、契約書の修正バージョンなど、関連するファイルは手動で共有フォルダに保存していました。これらのファイルは、Excel の台帳の番号とリンクする形で管理していました。
この方法は、私自身が前職で行っていたものを参考に整備したもので、とりあえずお金をかけずに、法務として依頼が来たものの審査ログを残すことを優先しました。法務の組織規模が5人ぐらいまではこのような管理を行っていました。
しかし、依頼件数が数百件に増えてきた時点で、Excel の台帳への入力や、関連ファイルを共有フォルダに保存する作業が手間だと感じるようになりました。
そこで Microsoft の Forms を使った依頼の一本化と、Power Automate を使った台帳への自動転記を行いました。これにより、台帳への入力作業はなくなりましたが、関連ファイルを共有フォルダに保存する作業は残ったままでした。これが1.5段階目のフェーズです。
法務の方であればご理解いただけると思いますが、メールのやり取りを一つ一つ保存するのは非常に時間がかかり、忘れてしまう場合もあります。そのため、ファイルの保存方法を自動化するほうが良いのでは、という議論が出てきました。そこで次に、Microsoft Power Apps と Power Automate を使用した内製システムの開発が本格的に始まりました。
このシステムは、1.5段階目で導入した Microsoft Forms から審査依頼を受け、それが自動的に SharePoint の台帳に登録されます。そしてその情報は、専用の案件管理システムにも自動的に反映され、受付完了などの通知は自動的にメールで送信されます。さらに、システム上で案件のアサインや対応終了報告などを行い、それらの情報も自動的にデータベースに反映されます。
この段階では、以前から時間がかかっていた関連ファイルの自動保存機能を Power Automate を活用して追加しました。例えば、メールの返信が自動的に共有フォルダに保存される仕組みなどがそれにあたります。この我々が自前で作ったシステムは、とても良くできていると感じていたのですが、Microsoft Power Apps や Power Automate は知らない間に仕様変更が行われることがあり、その対応やたまに出るエラーに手間取ることがありました。これは、実際に運用してみて明らかになった問題です。
そこで、自前での構築ではなく案件管理のシステム自体を専門の業者が作ったシステムにすることで、更新やエラー対応の手間を減らすべきではないかと考えるようになりました。
そのような課題を感じているところに、GVA TECHさんから新たに開発される OLGAの法務データ基盤モジュール について話を聞き、その開発段階からさまざまな話を聞かせていただいたことが、OLGAの法務データ基盤モジュール を使用し始めるきっかけとなりました。
SHIFT での OLGAの法務データ基盤モジュール 利用方法
上西様:
私たちが OLGAの法務データ基盤モジュール を使用し始めたときの主な用途は、グループ会社からの依頼の受付でした。
SHIFT本体では Microsoft のサービスを使用していたのですが、我々のグループ会社では Microsoft のサービスを使っておらず、Google など異なるコミュニケーション基盤を使っている場合もありました。
さらに、私たちのシステムはセキュリティ上の理由から、グループ会社からの依頼受付が内製のシステムではできないという課題があったため、まずはグループ会社から OLGAの法務データ基盤モジュール の使用を始めました。
現在私たちがどのように OLGAの法務データ基盤モジュール を使っているかを具体的にお話しします。ここからが、法務案件管理のシステム化の第3段階である、OLGAの法務データ基盤モジュール を使用した案件管理についてです。
OLGAの法務データ基盤モジュール の基本的な仕組みは先ほどご説明した弊社独自システムと同じです。専用のフォームから依頼を受け付けると、OLGAの法務データ基盤モジュール の管理画面に自動的にデータが蓄積されます。そこで担当のアサインなどを行うと、自分の担当案件として管理される仕組みになっています。
この管理画面から事業部への回答を行うと、その回答内容もシステム上に自動的に保存されます。そのため、我々はデータの保存という作業を特に意識することなく、OLGAの法務データ基盤モジュール から回答を行うことで、データが蓄積されます。これが現在の案件管理の状況です。
OLGAの法務データ基盤モジュール導入のメリット
最後に、OLGAの法務データ基盤モジュール を導入した際に感じたメリットについて簡単にお話しします。
まずは、我々が第3段階で体験した点からお話しします。
OLGAの法務データ基盤モジュール 導入前は、法務部門が手作業でExcelの台帳を管理し、ファイルの更新や保存などを手動で行っていたのですが、これらの手作業が全くなくなり、さらに案件の管理や審査ナレッジの蓄積が可能になりました。案件管理のために時間を使わなくてよくなったという点で非常に便利だと感じています。
Excelを使った共有フォルダへのアップロードという作業は、1案件につき約2〜3分かかっており、これが月に数百件あると考えると、この作業だけで毎月約10時間以上も費やしていることになります。それが全くなくなったと考えると、非常に効率的になったと思います。
二つ目のポイントとしては、依頼者側が OLGAの法務データ基盤モジュール のアカウントを作成する必要がない点です。案件依頼のためだけに OLGAの法務データ基盤モジュール のアカウントを作らなければならないとなると、特に大規模な組織で入退職者が多い弊社の場合、その管理は非常に大変です。
そのため、アカウントを法務部門だけが持ち、それで管理できるという点は、OLGAの法務データ基盤モジュール 導入で最も良かった点です。このアカウントの考え方は、自社とは異なるコミュニケーションツールを使用しているグループ会社からの案件管理にも非常に役立ちました。
そして三つ目のポイントは、依頼者が直感的に OLGAの法務データ基盤モジュール を利用でき、特に導入に際して説明の手間がかからなかった点です。我々がすでにある程度の仕組みを持っていたこと、そして法務への依頼方法については現場サイドで共通の認識があったことも影響しているかもしれません。
OLGAの法務データ基盤モジュール への切り替えにあたっては、もちろん事業部門に向けて法務への依頼方法をお伝えしましたが、それ以外の操作方法について特別な説明はしませんでした。しかし、依頼部門から操作方法に関する質問が特に来なかったので、ある程度直感的に使えたと言えるのではないかと思います。
OLGAの法務データ基盤モジュール を導入し、特にグループ会社からの案件管理については、非常に便利に使わせていただいています。これが現在の法務の案件管理の状況です。
第二部:案件管理を効率化するポイントをQ&Aで解説
OLGAの法務データ基盤モジュール でよく使っている機能は?
GVA TECH山本(以下、山本):
ありがとうございました。GVA TECH 代表の山本です。ここからは私から上西様に色々とお伺い致します。
早速ですが、SHIFTさんでの利用方法を深掘りさせてください。まずは、OLGAの法務データ基盤モジュール のフォーム機能についてどのように利用されていますでしょうか。
上西様:
我々が以前から行っていた業務内容を基に、OLGAの法務データ基盤モジュール の標準フォーマットを利用してフォームを作成しており、このフォームをグループ会社にそのまま提供しています。
付け加えると、特定のグループ会社や部署からの依頼があれば、その部署の担当者が、自動的にアサインされるような仕組みになっています。この機能は、アサインする人が事前に決まっている場合には非常に便利です。
OLGAの法務データ基盤モジュール で受けとった依頼は、担当者が案件を所有し、依頼者と直接やり取りを行います。また、我々の中では「ファーストチェック」、「セカンドチェック」という形でダブルチェックの体制を取る案件もあります。その際は、チームチャットで「レビュー終わりました、確認お願いします」とメッセージを送りあっています。
依頼者へ最終的に提出する段階でも、OLGAの法務データ基盤モジュール 上で案件の状態を管理しています。具体的には、「依頼者確認中」のステータスを一旦設定し、依頼部門から「これでOKです」との確認が来たら「完了」にステータスを変更する運用をしています。これは、依頼者側からの修正依頼が2〜3度発生することがあるため、完全に完了していない段階で「完了」にしてしまうと、自分の管理案件としては分かりづらくなるからです。
設定関連ですと、セキュリティ面を考慮してメールアドレスのドメイン制限を行っています。グループ会社のドメインを設定し、それ以外のドメインからの依頼は OLGAの法務データ基盤モジュール に送れないようにしています。案件依頼の段階で上長などにメールで共有できる機能がありますが、それもグループ会社内のドメインに限定されるよう設定できます。
OLGAの法務データ基盤モジュール の使い勝手については特段の不満はありません。私個人は、詳細画面で文書を比較する機能を頻繁に使っています。一見するだけでドキュメントの新旧比較が可能なのが非常に便利です。Word の機能を利用して比較することも可能ですが操作が面倒で、OLGAの法務データ基盤モジュール ではほぼワンクリックで比較できるので、非常に助かっています。
また、修正があまり必要ないレベルのドキュメントであれば、Wordファイルをダウンロードせずに OLGAの法務データ基盤モジュール のプレビュー画面で確認し、すぐに返信することもよくあります。プレビューが大きく表示されるのは非常に便利ですね。
参加者からのご質問: 案件管理に要していた時間は?
山本:
「従来の案件管理ではそれなりに手間がかかるという印象がありましたが、実際にはどれくらいの時間を誰がかけていたのでしょうか?」
上西様:
最初にExcelの台帳に手入力して、その後に共有フォルダでデータを管理していた時代の話ですが、会社全体では大体1案件あたり3分ほどの時間がかかっていたと記憶しています。
基本的には案件の担当者が案件データを入力し、保存するという流れでした。そのため、フォルダ上で作業をする担当者は、自分が更新するWordファイルがどんどん溜まり、その上で送信したメールや返答メールも一緒に保存していくという作業が発生していました。1案件あたりはおそらく1分から2分ほどですが、それが都度発生するので、それらの対応作業全体を見ると1案件あたり3分はかかっていたと思います。
3分と聞くと短く感じますが、それでもタスクが積もり積もると、例えば100件ならば300分、すなわち約5時間の作業時間が必要となります。実際には1ヶ月で数百件の案件が発生していたので、それを考慮すると10時間以上の作業時間をタスクにとられていたと考えられます。
参加者からのご質問: 独自システムの開発にかかったコストは?
山本:
次のご質問です。「独自システムの開発に関してですが、これはどの程度コストがかかったのでしょうか?」
上西様:
弊社の事情が少々特殊なのですが、ビジネスサポートチームという部署に障害者雇用の従業員が在籍していまして、そのなかで開発経験のある方に協力していただきました。その結果、社内で開発することができたのです。
開発にかかったコストについてですが、一人月程度で元になるシステム自体は作っていただきました。外部へ委託するとかなりの費用が発生していたと思いますが、内部で開発したため開発にかかったコストは人件費のみでした。
運用や保守については、ビジネスサポートチームの開発部隊がおおよそ3名いるなかで、1人の担当者に法務業務のサポートを担当いただいています。その方が休むときには他の方が対応し、微調整やバグ対応などを行っています。
参加者からのご質問:OLGAの法務データ基盤モジュール と他サービスとの連携は?
山本:
次のご質問です。「OLGAの法務データ基盤モジュール とクラウドサイン等とAPI連携をしたり、契約書の保管管理の部分まで対応することは可能でしょうか?」
これは私への質問ですね。OLGAの法務データ基盤モジュール は電子契約ですとクラウドサインおよび DocuSign とAPI連携しており、契約書などはワンクリックでアップロードし、同一性を確保することができます。保管管理の部分については、基本的に OLGAの法務データ基盤モジュール の案件詳細画面の書類バージョン管理UIからアップロードすることはできますが、これはあまり推奨していません。
その理由は、OLGAの法務データ基盤モジュール のシステムが法務部門だけに紐づいてしまい、他の部署が締結済みの契約管理を見ることができなくなるからです。したがって、後方の部分については別のサービスを使用することを推奨しています。
参加者からのご質問:契約業務の法務部内での割り振りについて
山本:
次の質問です。大量の審査案件が生じる中で、法務部門が対応すべき内容と、現場に委ねる内容をどのように分けて対応しているのでしょうか?
上西様:
これは非常に難しい課題です。
現在は、SHIFT本体からの依頼とグループ会社からの依頼とで対応が分かれています。SHIFT本体からの依頼については、弊社の雛形以外の契約を締結する場合は必ず法務部門が対応します。そのため、基本的には全件審査するというのが我々の方針です。
一方、グループ会社からの依頼については、遠心力経営という考え方のもと、グル-プ会社側に裁量を持たせていまして、グループ会社側からは「これに関しては一応意見を聞きたい」というものだけが法務部へ上がってくるという対応になっています。
したがって、本体とグループ間でのやり取りの調整や感じ方は明らかに異なっています。現状はこのような対応になっていますが、我々が目指している売上成長を達成するためには、法務の審査依頼件数も大幅に増えることが予想され、人員もそれに応じて増やす必要が出てきます。
ただ、案件数に比例した人員増が現実的に難しいと考えると、統制上のルールを変える必要があると思っています。そのなかで、リスクをどうコントロールしていくかというのは難しい問題です。依頼部門ごとに法務のスタッフを配置してリスクを捉える人を育てるといった方法もありますよね。事業部の中に法務の人を配置するという意味ではなく、事業部専属の担当者を置く、という考え方です。その人が依頼部門からの審査関連の情報を集めていくためには過去の審査履歴などのナレッジをOLGAの法務データ基盤モジュールに残していく、ということも重要だと思います。
我々としても、現在はどのような方針にすべきかを検討している段階です。
参加者からのご質問:OLGAの法務データ基盤モジュール を導入して実際楽になっている?
山本:
「OLGAの法務データ基盤モジュール を導入して、現在は業務が楽になっていますか?また、手間が増えたところがあれば、ぜひ教えていただきたいです。」
上西様:
我々が OLGAの法務データ基盤モジュール の開発段階からGVA TECHさんに協力していたことから、我々が内製したシステムを通じて得られた知見も多く取り入れていただけており、OLGAの法務データ基盤モジュール 導入時点からSHIFTにとって非常に使いやすいシステムでした。ですので、特に手間が増えたと感じる部分はありません。
しいて言うならば、以前のシステムを維持していた人たちからすれば、その手間が減ったのではないでしょうか。
参加者からのご質問:OLGAの法務データ基盤モジュール 導入後の事業部とのコミュニケーションは?
山本:
「OLGAの法務データ基盤モジュール 導入後のコミュニケーションはどう変化しましたか?」
上西様:
法務グループとしては、OLGAの法務データ基盤モジュール 上から事業部に「チャットを返す」という感覚で捉えています。依頼者側から見るとその内容がメールで届き、メールからフォームにアクセスして返信することも、メールを直接返信することもできます。
法務部内での情報共有については、特定の案件にアサインされていれば、その案件は OLGAの法務データ基盤モジュール 上で経緯を見ることができます。ファーストとセカンドの間のコミュニケーションも OLGAの法務データ基盤モジュール 内のチャットで行われていて、その履歴は別の担当からすると参考になったりしています。
案件管理と工数の平準化、知識経験の標準化についても少しお話ししますと、案件管理は OLGAの法務データ基盤モジュール だけでなく一部案件で内製のものをまだ使っています。工数の平準化については、OLGAの法務データ基盤モジュール が出力するCSVデータを活用して、各社からどのくらいの件数が来ているのかを把握し、そのデータを基に案件のアサインを決めることで実現しています。
一方、知識経験の標準化は難しいところですが、GVA TECHさんの別サービスであるAI契約書レビュー支援クラウド OLGAのAI契約レビューモジュール を用いて契約審査の社内ナレッジを共有し、法務未経験者や経験が浅いメンバーが契約審査を行う際には OLGAのAI契約レビューモジュール を活用する流れになっています。つまり、OLGAの法務データ基盤モジュール と OLGAのAI契約レビューモジュール を通じて、知識経験の標準化を推進しているという状況になります。
参加者からのご質問:契約締結までのリードタイムは OLGAの法務データ基盤モジュール 導入で短縮できましたか?
山本:
次で最後のご質問です。「契約締結までの期間は OLGAの法務データ基盤モジュール 導入によってどれくらい短縮できたのでしょうか?」
上西様:
OLGAの法務データ基盤モジュール や OLGAのAI契約レビューモジュール の導入が契約締結までのリードタイムに直接影響を及ぼした、とは言えません。ただし、手動でアサインを行う場合、担当者のアサインまでに時間が掛かる場合がありますが、自動アサインにより半日程度の時間を削減できる場合もあります。
契約審査を行う際には、OLGAのAI契約レビューモジュール を使用することで効率化できている部分はありますが、定量的にどれくらいと評価できるかは難しいところです。契約締結までの期間について我々が最も時間を消費しているのは、実は、電子契約の締結依頼を送信してから相手が承認するまでの時間です。リードタイム全体を短縮するという意味ではこの時間が一番の課題となっています。
山本:
丁寧にご回答いただきましてありがとうございました。最後に上西さんから一言コメントをいただけますでしょうか。
上西様:
本日は多くの方に参加いただき、ありがとうございました。今日の話が皆さんの業務のお役に多少なりとも立ちましたら幸いです。弊社は案件管理をシステム化しており、そのリプレースとして OLGAの法務データ基盤モジュール を利用していますが、案件管理を手動またはそもそも行っていない、という会社にとっては、業務効率を高める良いサービスだと考えています。
本日はどうもありがとうございました。
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