案件管理で逼迫したリソースや情報がどこに格納されているかわからないといった課題をOLGAの法務データ基盤モジュールで解決できました
高島株式会社様 福岡様、西村様に、OLGAの法務データ基盤モジュール の導入背景や目的、導入後の変化について伺いました。
事例の概要とOLGAの法務データ基盤モジュール導入前後の変化
会社や事業の概要について教えてください
福岡様:
当社は1915年の創業で、祖業の産業用繊維から始まり、時代の変化に適応し現在では建材事業、産業資材事業、電子・デバイス事業の3つの事業を持つサステナの先進商社へと進化してきました。
法務の体制と具体的な業務内容について教えてください
福岡様:
法務・コンプライアンスユニットは経営管理本部直轄の組織です。直近まで、私は財務統括部長と法務・コンプライアンスユニットマネージャーを兼任し、経営企画ユニットのメンバーである西村がTentativeに法務業務をサポートしています。今期、法務・コンプライアンスユニットマネージャーと法務経験のあるメンバーの2名が入社し、事務職を含む専任者が3名という体制になっています。
業務内容としては、企業法務、業法対応、訴訟対応、M&A、総会対応等です。中でも多いのは、契約書の作成やレビュー・法律相談などです。OLGAの法務データ基盤モジュールで月150件ぐらいを受付しています。
OLGAの法務データ基盤モジュール導入以前の法務案件管理の状況を教えてください
福岡様:
当初は、GoogleスプレッドシートとGoogleドライブを利用した案件管理を行っていました。
Googleドライブ上に案件ごとのフォルダを作成して関連ファイルを格納し、Googleスプレッドシートで案件一覧リストを作成・管理する運用でした。現場とのやりとりは主にメール、チャットを利用していました。
西村様:
法務への依頼時に記載してもらいたい項目を書いたフォーマットを社内で公開し、Wordやメールベタ打ちで送付してもらっていました。
おふたりを中心に法務業務を進めていく上で、一番課題として感じていたことを教えてください
西村様:
特に課題と感じていたのは、手作業での案件管理に時間がかかりすぎるということでした。
福岡様:
契約書レビュー・契約書作成にあたって、分散している資料・メール等を探してから作業に取りかかるという、準備の時間がかなり負担になっていました。
もう1つ課題に感じていたのは、どこにどんな情報が格納されているのかが分からないということでした。前任者が作成したフォルダは多数存在しますが、1つ1つを確認していく時間はありませんし、引き継ぎはあったものの、実務が始まると様々な細かい点で情報がありません。契約書のレビューに際しても、同様事例で参考にしようとしても、どういう判断でこのような契約条件でOKしたのか、何らかの状況判断があったと思われますが、そのノウハウも残っていませんでした。
こうした状況は今後を考えると大きな問題ですし、我々が次の担当者にどう情報を残していくのかも含めて、重要な課題だと感じていました。
最初にOLGAの法務データ基盤モジュールを知ったきっかけを教えてください
福岡様:
Instagramです。法務・コンプライアンスユニットマネージャー兼務になったことをきっかけに、この状況を何とか改善したいと考えていたところ、OLGAの法務データ基盤モジュールの広告が目に留まりました。
当初は契約レビューのツールを探していたのですが、その中で「案件管理」が特に気になりました。ネットで調べてみたところ、案件管理において目立つものはOLGAの法務データ基盤モジュールくらいしか見当たりませんでした。
その後、導入までの経緯を教えてください
福岡様:
まずは、資料請求とWebでのサービス説明を受けました。
法務では契約書レビューや契約書作成の依頼以外に、営業からの法務相談やクレーム対応の相談等、様々な依頼があり、それぞれの依頼フォーマットを用意して対応していましたが、OLGAの法務データ基盤モジュールが契約書レビューや作成以外の案件も受付・管理できるように、当社が望むようにカスタマイズできることが最大の決め手となりました。
トライアルで利用した印象や、事業部側(依頼者側)の反応はいかがでしたか
福岡様:
依頼フォームの作成にあたり、GVAさんから提供されたExcelフォーマットを基に作業を進めました。このフォーマットを活用することで、依頼対象とすべき事項、各事項で依頼者にどのような情報を必須で記載してもらうか、任意の情報は何にするか、の頭の整理が出来ました。このExcelフォーマットで整理した内容をもとにして、OLGAの法務データ基盤モジュールの依頼フォームの編集を独自に作成しました。専門知識がなくても依頼フォームを作成できたことは大きかったです。
次にトライアルでは直近で問い合わせが多かったユニットで、すぐ行き来できるという点から、東京本社にある2ユニットに協力してもらいました。トライアル中、そのユニットマネージャーが声をかけてくれ、「OLGAいいね」「依頼する方もわかりやすい」などの感想をもらいました。
西村様:
トライアル期間中の依頼者側の反応は、基本的に良いものしかなかったです。依頼フォーム上に、依頼時に必要な情報を入力すれば依頼が完了するので依頼しやすい、といった意見をよく聞きました。
また、どのような仕組みで案件を管理しているのかに興味を持たれる方も多かったので、実際の管理画面をお見せする等して連携しています。
OLGAの法務データ基盤モジュールの事業部への導入方法や流れについて教えてください
福岡様:
通知方法としては、まず全社員にメールで通知書を一斉送信しました。さらに事業本部長や副本部長に事前に説明し、マネージャー以上が集まる会議の場で今後はOLGAの法務データ基盤モジュールを利用して法務へ依頼を行うよう周知しました。周知は比較的スムーズにいったかなと思います。導入後の反応はトライアル時と同様に、おおむね好意的な反応ばかりでした。
まれに従来通りメールで依頼してくる方もいましたが、「記録の蓄積のためOLGAの法務データ基盤モジュールの使用にご協力ください」と説明すると素直にOLGAの法務データ基盤モジュールで再度依頼してくれました。
西村様:
移行にあたっては、特に問題は生じませんでした。
ポータルサイトに、OLGAの法務データ基盤モジュールのリンクを貼ったボタンを設置して「ここから相談してください」と社内に案内したら、皆様、その案内に従ってスムーズに対応してくださいました。
GVAさんからご提案いただいたマニュアル・資料も案内に添付しましたが、おそらくほぼ見ていないと思います。案内を見なくても、相談したい時に、ポータルサイトに設置したボタンから依頼フォームに飛んで必要事項を入力していくだけなので、導入時には特に障壁はなかったように思います。
法務側として少し困ったのは、過去案件です。過去から続いているメールでやりとりしていた案件がたくさんあったため、その取り扱いは少し工夫しました。
福岡様:
OLGAの法務データ基盤モジュール導入以前のスプレッドシートで管理している案件とOLGAの法務データ基盤モジュールで管理しはじめた案件が併存していたことはありますね。
西村様:
再度OLGAの法務データ基盤モジュールから依頼し直してもらう案件と、そうでない案件の整理が多少発生したため、そこに関しては依頼者も若干困惑していました。
また、ログを残す必要があると判断した案件については法務側でOLGAの法務データ基盤モジュールに案件の詳細を登録しつつ依頼者にメールで回答する、というように個別に対応しました。
OLGAの法務データ基盤モジュール導入後に一番効果を感じた点を教えてください
西村様:
案件管理に要していたリソース・時間を、本業の契約審査等に割くことができるようになったところが一番の効果です。案件管理作業やバージョン管理作業、依頼内容や過去のやり取りを確認するためにメールを探すというような準備作業に時間をかけなくて済むようになりました。
福岡様:
私は検索性の向上と稟議審査時の法務レビューが完了しているかの確認が効率化できた点に効果を感じています。
法務のレビューが終わった後、ワークフローシステムで稟議が上がってくる際、本来は最終バージョンの契約書ドラフトが「法務チェック済み」として添付されます。しかし誤って途中のバージョンが添付されていたり、法務のレビュー完了後に取引先で修正が加えられていたりすることがあります。
そのため、以前は、稟議の審査をする際に、まずスプレッドシートから該当案件を探し、Googleドライブ内の該当案件のフォルダから最終バージョンを探して、稟議ワークフローに添付されている契約書とを目視で比較して確認していました。
それがOLGAの法務データ基盤モジュールの導入後には、まず法務がレビューした契約書の最終バージョンの検索がすぐにでき、レビューソフトの新旧比較機能を利用して稟議ワークフローに添付されている契約書との差異を一目で確認しています。
また、契約書レビューの際に法務から「ここにリスクがあるため手当してください」といったコメントが出ていることがあります。しかし稟議ではそのようなリスクへの対応については何も触れていないんです。
そこで、私の方からワークフローシステム上で「法務からこの点のリスク対策を求められているけれど、どうなっていますか」というようなコメントを返し、説明を追記してもらうことで、稟議申請の内容が充実してきます。
現場の方はどのようなことを書かなければならないかが明確になり、最終決裁者も契約書の概要だけではなく、どこにリスクがあって、どのように対処しているかを理解した上で決裁できるため、より安心感が出ると思います。
こうした作業がほぼワンストップでできるのが、非常に助かっています。
西村様:
稟議は、本来、リスク部分も含めて決裁を取るべきだと思いますが、特に営業部門の担当者はその観点を見落としがちです。しかし、実際に決裁に至るまでには複数の回付者が存在します。弊社の場合、その回付者の一人が福岡や法務の責任者です。
このような責任者が、稟議申請の内容と法務が指摘しているリスクを瞬時に照らし合わせて補足し、稟議内容を充実させることができる点が非常に有効です。
当社では、重要案件に限らず、ほとんどの案件についてワークフローシステムで決裁を取る規程になっており、あらゆる契約や個別の取引も、ほとんど全て決裁を申請する必要があります。そのため、これらの情報が充実することで、会社にとって非常に良い効果が出ていると感じます。
OLGAの法務データ基盤モジュールで気に入っている機能があれば教えてください
福岡様:
案件に関する過去のやりとりを一覧で確認できる点と、すぐに検索できるところは非常に助かります。自分が発言した内容を思い出すことができますし、類似案件を探して同様のコメントをする判断もできます。
西村様:
確かに検索の容易性は非常に良いです。虫眼鏡のアイコンから社名を入力すると複数ヒットしますが、案件を1つ1つ開かなくてもプレビューで見られるようになっているため、特定がしやすく便利です。
当社の場合、案件数がとにかく多く、社名で検索すると何十件とヒットするため、迅速に特定することが結構重要です。
OLGAの法務データ基盤モジュールの今後に期待していることを教えてください
西村様:
依頼フォームの作成・編集について、通常業務で手一杯の中で行うのは厳しいと思います。福岡が設定や構成含め対応しましたが、私だけで、通常業務と並行していたらできていなかったと思います。
そのため、依頼フォームの作成・編集等の準備に対するサポートサービスが充実していれば有益だろうと思います。法務の人間には、そうした作業が得意ではない人も多くいますから。
福岡様:
私は、日々使っていて気になる細かい機能強化に対応していただけると助かります。利用者からすると細かい部分の利便性が向上することが非常に大事かなと思います。
西村様:
例えば検索にヒットしなかったり、メールの改行で行間が非常に大きく空いてしまったり、といった点があります。依頼者とのメールでのコミュニケーションが仕事の肝になるため、機能強化もそうですが、改行でも行間が適切に表示できるなど基本的な機能はどんどん改良していってほしいと思います。
福岡様:
また、問い合わせへの回答の蓄積や、依頼フォーム作成の自由度が高いことなどが他の管理ユニットや違う部門でも利用できるようになると良いと思います。特に、QAを自動で生成する機能は、他の管理部署でも非常に魅力的に感じてられているようで、法務部門に限らず会社全体でサービスを利用できる部門が増えるといいですね。
西村様:
機能の一部を別部署でも使いたいという要望は、やはりありますね。福岡はQAの部分に関心を持っているユニットがあると申し上げましたが、私も依頼者からの相談が一元的に管理できる機能について質問を受けることがあります。潜在的なニーズはきっとあるのだろうなと思います。