2024.10.31 Release

OLGAを導入し年間約2700件あった相談が、今では年間900件以下に減少する見込みで月の相談件数が推移しています

OLGAを導入し年間約2700件あった相談が、今では年間900件以下に減少する見込みで月の相談件数が推移しています
社名
ミサワホーム株式会社様

管理本部コンプライアンス部コンプライアンス課
田中 海太 様


ミサワホーム株式会社 田中様に、OLGAの法務データ基盤モジュール の導入背景や目的、導入後の変化について伺いました。

事例の概要とOLGAの法務データ基盤モジュール導入前後の変化

会社の概要教えてください

田中様:

当社は2024年に「心の拠りどころ」を意味する“HOME”という概念をコアとした新たな理念を制定しました。この理念を実現するため、新築事業をはじめ、ストック事業、まちづくり事業、海外事業、ウエルネス事業といった5つの事業を推進しています。

法務部門の体制と業務内容について教えてください

田中様:

当社の法務部門は管理本部のコンプライアンス部コンプライアンス課が担っており、当課は9名で構成されています。

業務内容としては法務相談をはじめ、契約書関連の業務、係争対応、法改正対応、取締役会対応、内部通報調査対応、印章や規程管理、コンプライアンス推進活動などを当課で行っています。

OLGAの法務データ基盤モジュール導入前の法務案件管理の状況と課題について教えてください

田中様:

OLGAの法務データ基盤モジュールの導入前は、新築事業からの相談だけで年間約2700件寄せられており、多くの過去案件のナレッジがあるにもかかわらず、それぞれの担当者に属人化し、多くの知見が暗黙知となっていて、相談対応、人材育成、マネジメントにおいて、非常に非効率な状態であるばかりか、担当者の退職・異動によるナレッジ喪失のリスクを抱えた状態でした。

また、OLGAの法務データ基盤モジュールの導入前は、法務相談の受付方法を特に定めていませんでした。部門共通のアドレスがあるのでそこに対して相談を送ってくれる人もいれば、担当者に対して個別にメールを送付する人がいたり、ナレッジが蓄積されない電話での相談も多く、まさにバラバラな状況でした。

法務担当者同士の情報共有は、対面での話し合いや過去のGメールを検索してメール転送で共有し合う方法がメインでした。過去案件検索に時間を要したり、そもそも当該案件の知見を持っている担当者の検索にも時間をとられていました

マネージャー目線でも、チーム全体の相談状況を把握することができず、また各メンバーの業務量の把握やスキル・経験に応じた案件アサインのしづらさなど、マネジメント面も課題の1つでした。

また、データが散見しているため、データに基づく効果的な予防法務施策の立案や現場が必要としている情報発信などができていないという課題感もありました。

リーガルテックツールの導入を検討しようと思った理由について教えてください

田中様:

ITツールを用いた生産性向上が常に求められていることもありますが、コロナ禍の影響でテレワークが始まったことが、リーガルテックツールの導入促進の大きなきっかけになったと思います。

これまでも、判例検索・登記閲覧サービスなどは導入済みでしたが、テレワークになったことでその場で会話をして確認することができなくなったり、会社にある法律専門書を確認することができなくなったりしたので、場所にとらわれないで情報・ナレッジへアクセスできる環境の整備やナレッジの見える化について本格的に検討しないといけないと感じました。

そのような状況の中で、法改正アラートサービス、法務書籍閲覧サービス、電子契約サービスなど、いくつかのリーガルテックサービスを導入してきています。

OLGAの法務データ基盤モジュールを知ったきっかけについて教えてください

田中様:

最初に目にしたのは法務関係のメディアのメルマガだったかと思います。AI契約書レビューサービスの検討をするために登録したメディアだったのですが、たまたまメルマガを読んだ際に法務案件の受付管理とナレッジマネジメントの実現という記載があったので、これまでの法務が抱えている課題を解決できるかもしれないサービスがようやくリリースされたのかもしれないと期待を抱いたのを覚えています。サービスがリリースされて1か月後くらいだったと思いますが、当時の業務が落ち着いたタイミングで資料請求を行い、すぐにトライアルの申し込みを行いました。

トライアル時のことについて教えてください

田中様:

トライアルに進み実際の画面に触れてみると、細部まで法務部門のために良く考えられているなと感じました。

トライアルはマネージャー含め課員で一斉に行い、できる限り実際の相談を用いて試しました。

事業部にスムーズに展開できるかどうかも重要なポイントだったので、案件を依頼し、どのような画面を見て対応を進めることになるのか精査しました。

OLGAの法務データ基盤モジュールの導入を決めたポイントは何でしたか

田中様:

法務相談を理想的な形で管理できるイメージが持てたことですね。

法務担当者は、依頼時に作成された案件のページで対応を行うだけで対応内容がそのままナレッジ化されていきますし、担当者が初見の相談や判断に迷うような案件では、過去のナレッジを効率的に探しにいくこともできます。マネージャーは、課員の業務量を一覧ボードで把握し、誰をアサインさせるかを個人のスキルや業務量を見ながら決めることができ、アサイン時や相談があれば案件のページを見て課員に対して適宜アドバイスを送るなど、業務の風景がイメージできました。

4つのボードで自分とチームの案件を一覧管理できます。

また事業部目線で考えても、アカウントが必要なかったことが大きいです。依頼の方法もフォームだけでなくメールでも依頼ができましたし、メーリングリストの連携機能を使えば当社のメールアドレスに対し依頼をするという、従来の依頼方法とほぼ変わらないことも検討を後押ししてくれました。

さらに、将来的な構想として、蓄積されたナレッジを用いたAI連携(AIチャットボット)、データ分析に基づく予防法務施策の立案や現場に必要となる法的知識の展開など、生産性の向上に大きくつながる基盤になると考えていたことも、導入を決めた大きなポイントでした。

OLGAの法務データ基盤モジュールの事業部への導入方法や流れについて教えてください

田中様:

事業部の業務フローをなるべく変えないことを念頭に置いて、依頼方法はメーリングリスト連携機能を用いることにしました。そうすることで相談時には当社のドメインのアドレスに対しメールをすることになるので、抵抗が少なくなると考えました。相談を始めたあとは案件専用のメールアドレスを用いてやりとりをすることになるので、そういった点が説明のポイントと考えていました。

周知方法は社内イントラへの通知の掲載と対象の事業部員へのメールの一斉送信です。通達の掲載だけでもよかったのですが、漏れなく周知を行えるよう一斉メールも送付することにしました。また説明資料も作成したのですが、先ほどの外部のメールアドレスが登場する点の他に、通知画面の説明や返信の仕方などを解説し、対象の事業部員に配布しました。また、可能な限り、コンプライアンス研修や営業会議で説明のお時間をいただき、対面の場でも周知を進めました。従来の相談方法も並行して受ける移行期間を2か月設けたこともあり、大きな混乱はなく導入することができたと思います。

そして、導入から1年を経過したタイミングでフォーム機能の導入を進め、現在ではフォームでの相談の受付も開始しています。

OLGAの法務データ基盤モジュール導入後の効果はいかがでしょうか

田中様:

狙っていた効果が出ていると感じています。

一番はナレッジの共有化が図れたことです。案件をコンプライアンス部として受け付けられるようになったことで情報の属人化が解消され、自分のタイミングで他のメンバーの対応内容を自由に確認できるようになりました。マネージャー視点でも、課員の業務量や業務の進捗状況が把握できるようになり、メンバー間であっても隣の人が今どのくらい案件を抱えているか簡単に把握できるため、お互いに配慮しあう関係性も強化されたと感じています。

併せて、OLGAの法務データ基盤モジュールを軸とした法務相談の業務標準を策定したことで、マネジメントの向上や人材育成にも繋がっていると感じています。

また、事業部側にも効果が出始めていると感じています。実は相談件数が減ってきておりまして、年間約2700件あった相談が、今では年間900件以下に減少する見込みで月の相談件数が推移しています。

これはOLGAの法務データ基盤モジュールに蓄積され見える化されたナレッジについて、メンバーで週1回集まり、短答式にできるものはFAQ化を行ったり、トラブル事例については通信の発信をしたり、相談の多い一定のテーマについては手引書を作成し展開するなど、法務相談のナレッジの共有と標準化を推し進めてきたことが大きな要因と考えています。

日々の相談において、同じような質問を受ける回数が非常に減ってきたと感じています。

もともとOLGAの法務データ基盤モジュール導入前からFAQを作成する構想はあったのですが、OLGAの法務データ基盤モジュールを導入したことでナレッジの蓄積・検索・共有をスムーズに行うことができるようになり、FAQの作成にも踏み切ることができました。社内に展開しているFAQは、OLGAの法務データ基盤モジュールシステム内の過去QAデータベースに取り込むことで情報へのアクセス性も向上し、法務担当者の受付から回答までのリードタイムの短縮につながっており、好循環が生まれていると思います。

OLGAの法務データ基盤モジュールで気に入っている機能について教えてください

田中様:

検索機能が充実していて気に入っています。

事業部へ展開してすぐに、蓄積されたデータの分析・活用を見越して、法務相談を5つの大項目と53の小分類とする相談類型を策定し、その法務相談類型ごとのタグ付け設定をできるようにカスタマイズしたのですが、それを絞り込みに用いて検索することができるため、必要な情報へのアクセスが非常に楽です。他の人の案件であっても管理の方法と見え方が統一されているので検索機能の価値は非常に高いと感じています。

また、これは機能自体への評価と言えるかはわからないのですが、案件情報のCSV出力は定期的に行っています。部門単位のデータ集計、相談類型ごとのデータ集計、部門と相談類型をかけ合わせたデータ集計など、社内の情報と突合させることで、より詳細なデータ集計ができる分析シートの雛型をExcelで作成しています。これにより、OLGAの法務データ基盤モジュール上のCSVデータを使って、簡単により詳細なデータ分析が行えます。分析内容はFAQや通信・手引書を作成する内容の選定などにも使えていて、非常に助かっています。今後、データ分析に基づいた課題解決に繋げていきたいと考えています。

検索機能。案件に関するあらゆる情報を切り口に、案件単位で検索をかけられます。

田中様:

AIの活用についてはとても期待しています。

導入後にAI法務アシスタントがリリースされましたが、使い勝手や生成の精度が向上し、法務担当者だけではなく、当社の事業部サイドやグループ企業への展開が可能となり、過去に蓄積された社内の法務ナレッジや一般的な法務ナレッジについては、グループ企業であれば、いつでも、どこにいても、一次回答を引き出せるようになり、法務という領域が、事業部の業務に溶け込むようになるとさらにOLGAの法務データ基盤モジュールの利用価値が上がるだろうと感じています。