カゴメ株式会社
2025.03.27
事業内容:
・飲料事業
・食品事業
・生鮮事業
・健康サービス事業
・家庭園芸事業
法務業務・ナレッジの属人化と情報の散在に関して抱えていた課題をOLGAで解決できました

コーポレート企画本部 法務部 法務グループ
主任 周藤 正樹 様
カゴメ株式会社周藤様に、OLGAの法務データ基盤モジュール の導入背景や目的、導入後の変化について伺いました。
事例の概要とOLGAの法務データ基盤モジュール導入前後の変化


会社や事業の概要を教えてください
周藤様:
当社は1899年に創業された食品メーカーです。トマトケチャップや野菜飲料、調理食品、生鮮野菜、冷凍野菜など、野菜の価値を活かした商品や健康サポート事業を展開し、海外では、北米・欧州・豪州・アジアの事業会社が連携し、フードサービス業態や食品製造業向けにトマト加工品を製造・販売しております。また、環境変化に適応した品種の研究や栽培技術の開発に取り組んでいます。2024年12月期の売上収益は約3,000億円で、従業員数は約3,000名規模です。
OLGA導入を検討し始めた経緯や課題について教えてください
周藤様:
OLGA導入を検討したきっかけは、法務部門での過去案件のナレッジが担当者に属人化しており、ナレッジマネジメントを法務部門の課題として認識していたためです。基本的には担当者が事業部と直接メールでやり取りをしていたため、各案件の情報が担当者個人のメールフォルダに蓄積される状況で、情報の散在と共有の難しさが大きな課題となっていました。
具体的には、各担当者のメールフォルダ内には、事業部とのやりとりのメール本文、契約書の草案や修正版、関連する参考資料などが整理されることなく蓄積されており、過去案件を確認する際には、まず大量のメールを検索し、それらの内容を一つひとつ確認する必要がありました。この作業には非常に時間と手間がかかり、担当者の業務負荷が大きくなっていたと考えます。さらに、自身以外の他のメンバーが担当した過去案件の対応履歴にアクセスすることも難しい状況でした。
また、2023年10月に異なる組織に属していた法務グループと知的財産グループが統合されたことで、それまで異なる方法で実施されていた契約書に関する案件依頼の受付・管理のプロセスを統一する必要性も生じました。この統一化とナレッジ共有の効率化を同時に実現するために、システム導入の検討を開始しました。

他社との比較・トライアル時の感想について教えてください
周藤様:
リーガルテック製品を複数検討しましたが、OLGAが最も我々のニーズに合致していました。導入検討にあたり特に重視したポイントは、全社展開を行う上で事業部側の負担が少ないことでした。その点でOLGAは事業部側のアカウント発行が不要で、今まで依頼者とのやり取りに使ってきた既存のメール環境をそのまま活用できるため、導入時に全社への浸透が非常に容易であると感じました。
さらに、他社製品が導入までに最低でも半年以上の準備期間を要することが多かったのに対して、OLGAはトライアル期間中に依頼フォームの作成や案件管理の準備をほぼ完了することができました。この導入スピードの速さと、導入までの工程がシンプルで明確なことは、他社と比較しても際立っており、迅速に課題を解決する上で大きな魅力でした。
また、UI/UXの観点からもOLGAは非常に優れていると感じました。具体的には、案件管理の一覧性が高く、進行中の全案件をひと目で把握することができるほか、一画面内に案件情報、メッセージのやりとり、さらには契約書のあらゆるバージョンがまとまって表示されるため、情報確認の効率性が格段に向上しました。こうしたシンプルで直感的な操作性と課題解決力が評価され、トライアル時点からユーザーの満足度も非常に高かったことが導入の決め手となりました。
実際のトライアル期間を経て、導入時のハードルの低さを改めて実感することができました。依頼フォームの作成や基本設定が迅速に進み、業務に大きな影響を与えることなく、即座に全社で運用をスタートできました。こうした特性が、他社製品と比較した際の圧倒的なアドバンテージとなり、最終的な導入決定に至りました。
OLGAの導入プロジェクトの体制と推進方法について教えてください
周藤様:
導入プロジェクトは、法務グループの私と、知的財産グループのメンバーの2名を中心に進めました。依頼フォームの項目内容は法務部門のメンバー全員で検討を行い、実際の設定などはプロジェクトメンバーが分担して行いました。特に工夫した点は、利用者が入力に困らないようフォーム内に記入例を設けるなどユーザビリティを高めることでした。
OLGA導入後の運用開始と社内展開の進め方について教えてください
周藤様:
運用開始にあたっては、非常にシンプルなプロセスを採用しました。社内通達にOLGA導入の背景や目的を丁寧に記載し、依頼フォームのURLと操作マニュアルを共有するだけでした。マニュアルもOLGAが提供したものをベースにアレンジして作成しました。事業部からの反応は良好で、操作方法に関する質問などはほとんどなく、想定していた以上にスムーズに全社展開が出来たと思います。
特に印象的だったエピソードとして、社内にマニュアルを共有する前にOLGAを利用した方がいたのですが、その方は特に操作方法などを質問することもなくOLGAを利用されていました。これにより、フォーム自体の直感的な分かりやすさを確認できました。

ナレッジマネジメントの実現
周藤様:
導入後は情報が迅速に集約され、ナレッジが自動的に蓄積されるようになりました。OLGAの特に優れている点は、案件管理を日常業務として進めることで、同時にナレッジマネジメントが自然に実現できることです。一般的にナレッジマネジメントを推進する際、新たな作業や負担が発生すると、現場への浸透が難しくなりますが、OLGAでは案件処理そのものがナレッジの蓄積につながるため、特別な作業を追加することなくスムーズに運用に乗せることができました。
案件単位の一画面上に案件情報や関連する契約書の全バージョン、事業部や他部署とのやり取りやメッセージも含めて一元的に管理されているため、情報が非常に見やすく整理されています。これにより、過去の類似案件を迅速に検索して参照することが可能になりました。検索機能についても、案件単位での検索だけでなく、日付や契約類型、部門別といった様々な切り口からの絞り込みが可能であるため、情報へのアクセス効率が劇的に向上しました。
さらに、法務グループと知的財産グループが共同で案件を担当する場合にも、リアルタイムで同じ情報を共有できるため、グループ間の連携が格段にスムーズになりました。また、経験の浅い社員に対するOJTも大きく改善しました。案件ごとの情報が詳細に可視化されているため、案件背景の説明や質問対応にかかる時間が大幅に短縮され、育成効率が上がったと実感しています。
OLGAの特に気に入っている機能があれば教えてください
周藤様:
OLGAの中で特に価値を感じているのは、分析ダッシュボード機能になります。OLGAに蓄積された依頼の案件数の集計のみならず、依頼元の部署やどんな依頼が多いかなどが視認性の高いグラフで確認できます。
この機能により自分たちの業務量の把握や今後の業務施策の判断材料として活かすことが簡単にできます。また、メンバー個人単位でも集計できますので、人事評価時の振り返りにもこの集計をもとに話をすることもできます。以前は数字に基づいた定量的な話は少なかったのですが、OLGA導入後は一緒に分析ダッシュボードを見ながらより生産的な会話が増えたと思います。
データが一元管理されることで、今後データに基づいた無駄のない業務が進むのではないかと期待しております。

今後の展望について教えてください
周藤様:
今後はOLGAに搭載されたAI機能をより積極的に活用し、契約書や案件に対して迅速な自動対応が可能になるよう取り組みたいと考えています。また、規定やQAデータを充実させ、社員が簡単な質問に対してAIが直接回答できる仕組みを構築することを目指しています。
法務業務に携わるみなさまへのメッセージ
周藤様:
OLGAは企業規模を問わず法務部門の課題解決に有効なツールだと感じています。特に、法務人材の流動性が高い現代においては、ナレッジの蓄積と活用が欠かせません。OLGAを活用し、安定した法務組織を構築することをお勧めします。