2024.10.08 Release

メールやエクセルベースでの案件管理や法務ナレッジの蓄積に抱えていた課題をGVA manageで解決できました

メールやエクセルベースでの案件管理や法務ナレッジの蓄積に抱えていた課題をGVA manageで解決できました
社名
伯東株式会社様
事業内容
エレクトロニクス関連事業
ケミカル関連事業

管理統括部 法務部 ビジネス法務グループ
グループ長 甲斐秀 太郎 様
宮林 武史 様
小林 優美 様


伯東株式会社 甲斐様、宮林様、小林様に、GVA manage の導入背景や目的、導入後の変化について伺いました。

事例の概要とGVA manage導入前後の変化

会社の概要を教えてください

甲斐様:

弊社は、エレクトロニクス関連商品を取り扱う専門商社と、工業薬品メーカーとしての二つの顔を持ち事業展開しています。

たとえば半導体等の電子部品を輸入して販売する専門商社のようなビジネスや、ケミカル分野においては、石油化学や製紙/工業薬品の取り扱いを行っています。こちらは商社として販売するだけではなくメーカー機能を持っており、自社工場にて製造も行っています。

その他にも例えば太陽光などのエネルギー関係や、自社ブランドの化粧品といった事業を展開しており、今後も様々に新しい事業展開を推し進めております。 こうした新規事業の推進をサポートしていくことが法務部として求められているところで、既存業務の効率化は喫緊の課題でした。

法務の体制を教えてください

甲斐様:

法務部という組織の中に、3つのグループがあります。

1つは「コーポレートグループ」という、コンプライアンスに関わる体制整備や社内研修等の企画業務の他に幅広くコーポレート業務に関する法務を行っている部署があります。

次に、我々がいる「ビジネス法務グループ」という、いわゆる取引法務関連の業務を行うグループがあります。契約書関連が一番多く、7〜8割程度は契約書業務ですが、それに加え、取引に関わるトラブル等にも対応しています。

もう1つが、「安全保障貿易管理グループ」というグループで、ここは、輸出規制等の対応を中心的に審査しているグループです。

人数としては、全体で10名強、各グループの人数は3名〜5名程度です。

GVA manage導入前のフローを教えてください

甲斐様:

基本的にはEメール(以下、メール)で案件受付を行っていました。

Wordのフォーマットで審査依頼書を作成しており、それと契約書のデータなどを添付し、指定アドレスに送付してもらうという方法でした。

法律相談に関しては、きちんとしたフォーマットやルールがなく結構自由でしたので、電話や対面での相談もありました。

電話で受け付けた相談についても、我々が回答した記憶を残すためにメールでフィードバックするという運用を行っていました。

GVA manage導入前に抱えていた課題を教えてください

甲斐様:

シンプルに、メール依存が多かったです。審査の受付も含め、基本的に全てメールで受付け、メールでやり取りを行っていました

案件管理も、エクセル台帳に手作業で入力する形で行っていました。

非効率的かつ属人的で、人の退職に伴いメールデータが消えてしまうともう分からなくなってしまいますし、メールを一生懸命たどっていくようなやり方に、非常に無駄を感じていました。

宮林様:

退職者が生じた場合、メールも一定期間は自動転送されるのですが、やはり時間が経つと転送もされなくなりますし、結局、案件がリセットされるような形になってしまっていました。

依頼者目線でも非効率的ですし、法務部内でもナレッジが蓄積されずに、退職者が生じる都度リセットされてしまうことも問題でした。

甲斐様:

メールの検索機能では、探している情報が的確にヒットしないことが多いですし、別メールで返信されて途中でメールチェーンが分かれてしまうようなことも発生するため、探す手間が負担になっていました。

「別のメールに返信しないでください」というルールを作り、赤字で注意書きを入れたりもしていましたが、それでも別メールで返信する人はいるため、本当に無駄な時間を使っていました。

GVA manageはどのようにして知りましたか

甲斐様:

リーガルテックという言葉が出始めた時期から、様々なベンダーさんと接点を持ってシステム導入のための情報収集を続けていました。

GVA TECHさんとは前身のAI-CON時代から定期的にご連絡をいただいて、コミュニケーションを取らせていただいていました。 我々にとっては、業務の入口(受付)部分の改善が1番の課題だったため、GVA TECHさんから、そこにマッチするものができたとご紹介をいただいたのがきっかけです。

GVA manage導入までの流れを教えてください

甲斐様:

まず、何を解決したい課題とするかを、プロジェクトの最初に検討しました。

リーガルテックと言っても課題別に様々あり、また一気に業務体制を変革するとなると相当のリソースを要するところで、我々が最優先課題とするものは何なのか、メンバーの中で話し合いました。その結果、やはり依頼案件の管理がメールに依存していることは非効率で、ナレッジマネジメントにもつながっていないという認識が、メンバーの中で一致しました。

宮林様:

一方で、メールのメリットを残すことも検討し、例えば「CC機能があるのはマストだよね」など、マストとベターで要件を整理しました。

甲斐様:

一通り有名なベンダーさんは全て検討し、可能な限りトライアルも実施し、マッチするツールがあるかどうかを探していたら、まさにGVA TECHさんにご紹介いただいて出会うことができたという経緯です。

GVA manage導入の決め手は何でしたか

甲斐様:

先ほどの言及の通り、マストとベターで要件を整理した上で、マストで解決したいことを全て満たしていました。

また、シンプルですが、現実的な導入のハードルが低かったというところもかなり大きかったです。

例えばCLMシステムに全て一気通貫で移行するほどの対応リソースが十分ではない中で、GVA TECHさんの場合は、最初のところだけを切り取ってできるというところが、我々にとって魅力的でした。

もう1つ考えたのは、依頼者側である事業部への説明をどうするかというところですが、GVA manageの、依頼者側に大きな影響がないよう配慮をされたシステムデザインであったことが導入のしやすさにつながりました。法務側の受付体制はシステムに変更されるものの、事業部では引き続きメール送信のやり取りとして大きく変わらない点が、非常に説明がしやすくて良かったです。

導入後、事業部への展開/周知はどのようにされましたか

甲斐様:

事業部の社内会議の場で時間をいただき、説明の場を設けさせていただきました。

システム導入の趣旨や概要について、簡潔に10分程度でまとめて話して、詳細については社内ポータルシステム参照、という案内をしました。社内ポータルには、マニュアルや使用方法などを掲載しました。

事業部への展開はその程度ですが、大きな混乱なく導入できたと考えています。

実際に導入後、事業部からの反応はいかがでしたか

宮林様:

「ツールを導入したのですね」というぐらいの反応はありましたが、使いづらいといったような声は全然聞きません。

まだ法務内での運用ルールが完全に定まっていないところがあり、こちらの事情で混乱を招くケースは少しありますが、全体的にネガティブな声はありません。

事業部側にとっては、今までのメールの運用をただGVA manageのフォーマットに移しただけに近いため、そこまで大きな混乱はありませんでした。

強いて言えば、ファイルのダウンロード方法等の細かい部分の質問などは少しありますが、その程度なので、基本的にはスムーズに移行できているかなという印象です。

 甲斐様:

導入後の事業部からの大きなクレームや問題は、ほぼゼロです。

これまでの依頼書ファイルのメール添付の方法から、GVA manageは入力フォーム形式への移行でしたが、直感的に記載しやすいためか、混乱は全然ありませんでした。

審査依頼書で運用していた時は、必要事項を埋めてくれないとか、そもそも添付してくれないことが結構あり、無駄なやり取りも多く発生していました。

今は基本的にフォーム入力を通さないと依頼できないですし、必要事項を順番に入力していくだけなので、非常に良くなったと思います。

周知やフォームで工夫したところはありますか

甲斐様:

取引に必要な項目がわかりやすいように工夫しましたが、際立って特殊な工夫は特にしていません。

フォーム設定の自由度があるので、必要に応じて改善していきたいと感じています。

甲斐様:

そうですね。法務内での運用ルールが完成していないところもあるのですが、ほぼ事業部等からの依頼案件をGVA manageに集約できているというのは共通認識としてありますし、不必要にメールをたどることや、受付時のやり取りを重ねることは無くなりました。

添付ファイルやそのバージョン管理に関する作業も効率的になりました。GVA manageでは、その場で編集・更新して最新版として管理できるようになり、感覚的には2〜3割ぐらいの工数が削減できていると思います。ストレスフリーにもなりました。

あとは、管理側の目線として、メンバーが抱えている案件が見やすくなりました。

また、事業部からの抵抗感は無いどころか、むしろ依頼が増えているのは明らかな傾向としてあります。おそらくメールで送るよりも依頼にかかる心理的なハードルは低くなっているのかなと思っています。依頼が増えたことで悩みもあるのですが、法務として非常に良いことだと思います。そういった副次的な効果も出ていると感じています。

小林様:

私はGVA manageを導入してから入社したのですが、私が入社してすぐに、何の違和感もなく使えたのがまず良かったです。

また、事業部の方からも「特に何も言われない」ということに関して、すごく良くなったと言われないのは残念なのかもしれないですが、おそらく何も違和感がないから、何も言わないのだと思っています。事業部の皆さんも違和感なく使えているということで、そこがすごく良いところだと感じています。

私は前職でCLMを入れていた関係で、様々な操作についての問い合わせ対応に追われていたことがあるのですが、GVA manageはそういうことが一切なく、今まで通りスムーズに使えていて、それなのに法務側で管理もできるというのが最大の魅力なのではないかなと思っています。

宮林様:

少し補足するとすれば、以前審査依頼書で契約審査を受け付けていた時は、Excelで「審査依頼書リスト」を作成し入力していました。

そういう事務作業みたいなことが今は無く、全てGVA manageに蓄積されるため、事務的な作業を減らすことができた点は、解決できた実感があります。

依頼案件に関するナレッジを蓄積するにはもう少し時間をかける必要がありますが、その基盤を築くことができたというのは、1つの達成として感じています。

導入の目的としては考えていなかった、予想外のメリットがあれば教えてください

甲斐様:

繰り返しになりますが、依頼が増えています。しかも少しではなく、おそらく2〜3割ぐらい増加しているのではないかと思います。結構びっくりです。

これまで依頼時のフォーマットが無かった法務相談などとは、正確に件数の比較ができていないため、そこは割り引いて考えていますが、それにしても多くなっています。やはりメールで「〇〇様」と書き出すよりは、依頼者にとっても心理的なハードルが下がっているということは、副次効果かなと思います

宮林様:

事業部と電話で話した際に、「法務もDXを進めているのですね」と言われました。

ちゃんと法務もDX推進の取り組みを進めているというのが、周知できているっていう、派生的な効果としてあるかなと感じています。

それから、「事業部自身で案件管理とかできないですか」と言われたこともありました。事業部側の担当者の変更があった際に、事業部の中で誰がボールを持っているか分からなくなってしまったという問題があったことがきっかけだったようです。そういった、事業部の中でも主体的な意識がある方もいらっしゃいました。

GVA manageのお気に入り機能を教えてください

小林様:

トップページにいくと自分の案件を絞り込めるようになっていて、その自分の案件の中でのステータスをソートでき、自分が対応中なのか、依頼者が対応中なのかが分かるところがありがたいです。

それを見て、自分にボールがあって、期限はいつまでなのか、というのを常に把握するようにしています。

宮林様:

小林さんと同じく、対応中の案件管理ができるところです。

今までは個人的にテキストメモなどでTodoリストを作成していました。案件を羅列して、ボールが返ってきたらリストに反映、と管理をしていましたが、GVA manageを導入してからはそういった作業はしてないため、非常に役に立っている機能です。

今後のGVA manageに期待していることを教えてください

甲斐様:

基本的に今のGVA manageの役割はシンプルに、徐々に機能を拡充していくスタンスが我々に合っていると感じているのですが、できれば将来的には、一度事業部等からGVA manageで依頼をしてもらえれば、契約の審査から締結まで完了できるような世界を作ることができればと思います。

最初にお話しした、CLM的なものは導入が大変だという話と矛盾するかもしれないのですが、少しずつ機能を追加させるようなオプションがあれば我々も無理なく導入を進めて、少しずつ機能を拡大することができ、結果としてCLM的な世界を実現できればと期待しています。

他の会社の法務の方にメッセージをお願いします

甲斐様:

今特にこれというシステムを導入されていない状況で、身近なところから最小のリソースで最大の効果を上げたいという方にはマッチしているのかなと思います。まずGVA manageから始めよう、というぐらいでも良いと思います。

リーガルテック、DXと言うと、かっこいい言葉で魔法のように課題解決するようなフレーズが多かったりしますよね。でもGVA TECHさんの考えられている世界はそういうところばかりではなく、本当に法務担当者の身近な悩みに寄り添う形でデザインされたのだな、と感じます。身近なところから着実に課題解決を進めていかれる法務の方々に、とてもおすすめです。