THE PARTNERS
~ビジネスの成長戦略に伴走する法のスペシャリストたち~
企業の知財戦略が競争戦略と同義となる新時代を知財法務力で切り拓く
弁護士法人キャストグローバル
代表弁護士 飛渡貴之先生
弁護士・弁理士 島田敏史先生
知財戦略、知財ファイナンス、不動産、労務、コーポレートガバナンスなどの専門分野に特化した弁護士約40名が在籍し、国内23拠点、海外9拠点でリーガルサービスを提供する士業グループの弁護士法人キャストグローバル。特許庁での勤務経験を持つ知財法務のエキスパートである島田敏史弁護士と、不動産分野で豊富な経験を有する飛渡貴之弁護士に、知財戦略が企業価値を左右する重要なファクターとなりつつある昨今のビジネスシーンにおける成功のカギについてお聞きしました。
知財戦略に強い企業が競争に勝ち抜く時代~CIPO(知的財産最高責任者)の存在価値とは~
ー 島田先生は弁護士と弁理士のダブルライセンスをお持ちです。どういった領域に注力されているのでしょうか。
島田先生:
私が注力しているのは、知的財産に高い専門性を持った弁護士を企業さまのCIPLO(知財法務最高責任者)として配置し、知財戦略の統括部門をご支援するサービスです。
企業の知財法務戦略を統括・実行するCIPLOは、諸外国、特にアメリカや中国では、重要な経営判断に早い段階からコミットするポジションです。これらの国では、知財の価値を「事業価値への寄与」のみならず「企業価値への寄与」に拡大して認識しており、知財の見える化、取引、流通が活発になっています。そのため、高度な専門性を持つCIPLOが企業の競争戦略に不可欠な存在となっています。
一方で日本では、CAO(最高総務責任者)などの管理部門管掌役員が法務、人事などを包括的に統括し、その文脈に知財管理の責任者を据えることがまだまだ多い印象です。しかしながら、知財管理に特化した役員レベルの人材を確保し、知財法務に関する適切な意思決定と戦略策定ができるシステムを実装する必要性が今後ますます高まることは確実です。
知的財産法務は競争戦略に欠かせない要素です。従来のビジネスでは、自社の製品なりサービスなりのクオリティを「より良いほう」に改良し続けて成長するというスキームが主流でした。しかし今や、さまざまな産業で製品やサービスのコモディティ化が急速に進んでおり、また、業界を超えての競争が生じているなど、市場でのいわゆるパイの取り合いが激化しています。自社製品・サービスを改良するだけではもはやそういった競争に勝つことは不可能となりつつあり、いかに知的財産を生み出し、有利に活用し伸ばしていくか、という競争戦略が必要不可欠です。その観点からも、高い専門性を持った知財法務戦略のエキスパート、つまりCIPLOの役割が重要になってくるわけです。
キャストグローバルが誇る、知財に特化した専門性を持つ弁護士が、企業さまの知財戦略法務の強化、そして企業価値の強化に唯一無二のご支援をさせていただけると自負しています。
無形資産を担保にする「知財金融」の新しい時代
ー 知的財産は今後ますます、企業の価値を決定する「資産」として非常に重要な位置づけになるのですね。
島田先生:
その通りです。特許庁は2014年(平成26年)度から「知財金融促進事業」を実施し、金融機関が企業の知財を客観的に評価した基準に基づいて事業や経営を支援を行うことを推進しています。その背景にあったのは、日本では従来、不動産や機械設備などの有形資産と比較すると知財を含む無形資産は価値評価が困難で融資の担保となりにくいという実情でした。アメリカの上場企業の例では、時価総額の90%程度が知財を含む無形資産で占められているのに対し、日本では32%という報告*もあります。
*令和4年2月1日 新しい資本主義実現会議「日財産情報可視化研究会第1回基礎資料」
こういった状況を打破すべく、変化の波は押し寄せています。2024年6月、「事業性融資の推進等に関する法律案」が成立し、新たな担保制度として「企業価値担保権」が2年半以内に創設されることが決まりました。この企業担保権の創設は、企業の保有する不動産や機械設備といった「有形資産」だけでなく、企業固有の技術や、人的資本、顧客リスト、販売ネットワークといった「無形資産」、つまり「企業価値」が担保権の対象となるという、有形資産への依存度が高い日本の現状に一石を投じるものだと言えるでしょう。
では、自社において真に企業価値となりうる無形財産とは何なのか。それを把握するために経営者にまず求められるのは、無形資産の把握・言語化・見える化の作業、そして次に必要となるのが、見える化された無形資産を客観的かつ的確に評価する作業、最後にその無形資産を拡大・活用する作業です。
私たちグローバルキャストは、企業価値担保権が創設される前から、企業さまにおける知財の棚卸し、言語化・見える化、客観評価、拡大・有効活用というプロセスに伴走してきました。また、2021年、金融庁と東京証券取引所が策定する「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」が改訂されたことは皆さまの記憶にも新しいかと思います。この改訂では、上場企業に対して、知財投資等についての具体的な情報を投資家を始めとするステークホルダーに向けて開示することが求められていますが、私たちはそれに対応できる「IPランドスケープ」を中心とした情報収集、市場分析、法的評価、ビジネス評価などを活用して知財評価と経営・事業情報とを組み合わせて分析し、経営戦略や事業戦略の策定を行っています。
私たちがご支援するのは、企業の利益を継続的に創出する源泉となる知財の特定・拡大です。知財に専門特化した弁護士の立場から、競争力の源泉となる知財をいかに保護し伸ばしていくかを整理するという、私たちだからこそ実現できるサービスです。日本では、知財戦略に本腰を入れる企業は増加傾向ですがその数はまだ少なく、今の時点で知財金融にアンテナを立てて競争戦略を立案できる企業こそが、業界を牽引する企業に成長しうる大きなアドバンテージを手に入れられると確信します。更に、自社の強みについてのコンセンサスを社内横断的に共有することで、会社のビジョンや今後進むべきロードマップの解像度が上がるというのも、得難い副産物であると考えています。
信託から派生する利用した15種の士業の協業でお客さまのビジネスをサポート
ー 飛渡先生は、不動産分野に特に知見が深いとお聞きしています。
飛渡先生:
不動産分野に特化したリーガルサービス提供ができることも、私たちキャストグローバルグループの強みのひとつです。2022年に設立したキャストグローバル信託株式会社は、特定受益証券発行信託を取り扱う数少ない信託会社であり、不動産の信託化による小口化、税制優遇によって不動産投資を国内外から呼び込み、日本の不動産の安定と底上げに貢献しております。加えて、企業さまの開発事業で発生する、立ち退き交渉、賃貸借契約などの不動産関連のプロセスを数多くご支援しています。
これらから生じる不動産ファイナンス、不動産が絡む相続、離婚、民事信託も取り扱っております。個々のプロジェクトの属性に応じたオーダーメイドの複雑な契約を作成する必要があり、また、金融機関からの貸付金額も数億円~数百億円と高額になることが多く契約が複雑な傾向にあり、スキームを含めたリーガルチェックが必要です。
ー 専門分野に特化したリーガルサービスを提供されているのですね。
飛渡先生:
私たちキャストグローバルグループは、法務、会計・税務、登記、測量、コンサルティングのスペシャリストである15種の士業が集結し、各分野の強みを有機的に結びつけることによってクライアント企業さまに最適なソリューションを提供する専門家グループです。
日本国内では23拠点で多地域連携サービスを提供していますし、海外企業の日本進出や投資家の海外投資をサポートするため海外展開を進めており、現在はアジアを中心に9か所の拠点があります。専門家が集結して協業することにより、「1+1=2」ではなく、何倍、何十倍もの相乗効果で企業さまの成長戦略をご支援できるよう尽力したいと考えています。
飛渡先生(左)・島田先生(右)
経歴
飛渡貴之 弁護士法人キャストグローバル
弁護士/司法書士・土地家屋調査士有資格
不動産、IT企業を中心に170社以上の顧問を持ち、企業の成長を支援しています。
滋賀県出身
2001年 関西大学総合情報学部修了
2012年 同志社大学法科大学院修了
2020年 キャストグローバルグループ参画
2022年 株式会社キャストグローバル信託取締役就任(現在は退任)
島田敏史 弁護士法人キャストグローバル
キャストグローバル国際特許商標事務所
弁護士/弁理士
日本・中国を中心に、多くの日系企業の知的財産の創出・利活用を支援しています。
福岡県出身
2004年 早稲田大学法学部卒業
2006年 中央大学法科大学院卒業
2016年 特許庁審判部
2018年 キャストグローバル国際特許商標事務所代表就任
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